第八章 疑惑の自殺

 ルナシティ警察の留置所は、最下層、一Gの重力が感じられる場所に作られていた。下層 ―と聞くと地球出身者には多少耳障りが悪いが、ルナシティでは、一Gの重力がきちんと感じられる場所であり、どちらかというと上層よりも良い居住環境とされている。留置所が下層にあるのは、地球からの旅行者は一Gに慣れているので寝泊まりするにはこちらのほうがよいという配慮だ。ちなみにホテルも下層に作られることが多い。逆に上層には居住施設よりもコンベンションセンターのような公共施設が作られがちだ。

 そして、最下層、とは、宇宙と直結する場所という意味でもある。

 今回は――いや、今回も、というべきか、それが悪用された形になった。

 我々が到着したときには、すでに端羽氏はクリームホワイトの冷凍カプセル内の住人になっていた。顔の部分は透明ポリマーなので、表情は分かる。

 最後に別れたときの彫像のような顔が思い出される。

 彼の彫像のような顔は、もう二度と生気が戻らないのだろう。冷凍カプセルの制度と技術を開発した人々が夢見たとおりに、医学が非常に高度に発展し、死者をよみがえらせる技術が完成でもしない限り。

「監視カメラは? 着いていたでしょう」

「いえ、それが切られていたようです」

 留置所を管理していた警察官が青ざめた顔で言う。

「切れた途端に警報が鳴ったので、ロボットが駆けつけたのですが、すでに真空に暴露されていて、ミスター・タンバの死亡が確認されました」

「真空に暴露されていた……」

「推測ですが、おそらく確かだと思われます。気圧が低く、気温も低下していました。彼の体はすでに凍り付いていました。彼の手は外部ハッチにかけられていました」

「手動で開けたの? それとも自動? ハッチシステムのOKDIDは。まさか侵入を許したの?」

「はい。ミスター・タンバのIDが……」

「馬鹿! 何をやってるの!」

 独房の中で、彼が倒れていた場所は、白くチョークで描かれている。それは、彼が身を引きずるようにして、ベッドから這い出し、ハッチに手をかけて倒れたように見えた。

 ベッドには、凍てついたタブレット型の携帯端末が置かれていた。独房内で、看守ロボットを呼び出すために据え付けられていたもので、本来はそういう機能しか果たせない程度のもののはずだ。だが、その画面は、独房システムの操作画面となっていた。

「ルナシティのシステムは彼の会社――アステリ・アフェイラス社のシステムが納入されていました。顧客――つまりルナシティ当局にも知らせていないマスターコードがあったようです」

「……つまらない失敗ね。警察から理事会にこの件はあげておかなければ……。アステリ社の納入システムは全て停止するように」

 ビアンカは小さく、ちくしょう、と悪態をついた。

「そういえば、NALのほうは? あっちはNALが自分で作っているシステムでしょう。アステリ社に侵入される余地はないはずよ?」

 そのまま強引に連れてきた胆澤氏に聞く。

「――正確に言うと星見重工ですね。我々に『かぐや』型宇宙旅客機を納入している会社です。アステリ社がシステム面の下請けになっていると聞いたことがあります。ハッチ開閉のシステム自体を受注していたかどうかは聞いていませんが、その可能性もありますね。まあそうでなくても、セキュリティシステムは彼等の得意分野ですからな。星見重工が提供しているシステムも、実はアステリ社が作ったものだった、ということはあるかもしれない。アステリ社は最近、受注拡大にむけ活発に活動していると聞いていましたが……。このような不祥事のうえ、社長の端羽さんが亡くなっては……難しいかもしれませんな」

「そういうことですか」

 ビアンカ刑事はベッドの上に放り出された端末を見た。

「システム制御コマンドが操作されているのですね……。どういうことか分かりますか?」

 胆澤氏に突き出す。

「閉めて、開けて、また閉めて、開ける……というように操作ログ上は残っていますね」

「何回かためらったのですか。ほかには?」

「操作コードにコメントアウトして何か書いてあります。ハッチを操作する途中で書いてる。英語だな……」

 彼はビアンカ刑事に端末を渡した。

「なになに……」

 彼女は読み上げる。


 関係者の皆さんへ。

 全ては僕の責任だ。

 大生さんのことは残念だった。僕が先走ってしまった。

 司畑さん、NAL社にも申し訳ない。

 責任は取る。

 そのためにも、


「それだけですか? 真相は?」

 梓紗が聞く。

「いえ……これだけ」

 ビアンカ刑事は証拠を示すかのように、端末を差し出した。

 プログラムコードの一部に、殴り書きのように文章が書かれている。

「そのためにも、――?」

 原文だと、For this reason,だ。その先が続くかのような文章だが、そこで終わっている。

「でも真相はもう明らかでしょう。ミスター・タンバは投資のことでミスター・オオイともめて、殺してしまった。証拠となるQKDIDのタイミング情報を消すために、ミスター・シバタケとともにNAL社と『かぐや』のQKDサーバを爆破させた。方法はまだ分からないけど、彼の会社はルナシティや『かぐや』のセキュリティシステムを担っていた。おそらくマスターコードを使うなどして、爆破させたんでしょう。その後、良心の呵責に耐えきれず、ミスター・オオイを殺したのと同じ方法で自殺してしまった。爆破の方法はこれから考えるとして、犯人自殺でこの事件は解決だと思います」

「爆破か……」

 梓紗はモノクルのスイッチを押した。

 ぼおっと、青緑の光が独房に満たされる。

「……だめね、情報が足りない」

 彼女はすぐにスイッチを消す。

「ビアンカ」

 梓紗は刑事をじっと見つめた。

「私――あるいはこの『オッカム』をある程度使えると判断しているのなら、結論を出すのはもう少し待って。おそらく、ここで早急に枝葉を切り落として結論を出すと必ず間違う。もっとデータが必要だわ。そう、この事件の真相を語るには、足りないピースがいくつもある……」

 私を見る。

「そうでしょう、柚希」

 その目――モノクルでない、人間の方の右目は、らんらんと輝いていた。

「結論を出す前に、事情聴取を済ませないとね……」



 佐波愛実――というのが、アステリ社CEO、端羽氏の秘書の名前であった。地球にあるアステリ社本社のとの間に通信回線を開き、ビアンカ刑事とともにオンラインで取り調べをすることになった。

「……そうでしたか……」

 佐波氏は涙で赤くなった目で、じっとこちらを見つめている。

「端羽さんはとても責任感の強い人でした。最後まで会社のためを思って、そういう言葉を残されたのでしょう。自殺等する人には見えませんでした。何かの事故だと思います。彼は決して諦めない、いつも前向きな人でしたから」

 ルナシティ警察の会議室の一室で、画面の向こうの佐波氏は言う。

「……ルナシティに行くとき、何か普段と違ったことをおっしゃっていませんでしたか?」

 ビアンカ刑事が聞く。

「普段と違うこと?」

「普段の出張ならしないようなこと、言わないようなこと、そのようなことです」

 佐波氏は一瞬、視線を上の方に向けた。何かを思い出そうとするように。

「……ああ、そういえば。『これは賭けだ、でも必ずうまくやる』――とおっしゃってましたね。ルナシティとの商談のことだと思っていましたが。例のルナシティ拡張計画――『アストラン計画』のRFPです。何でも、ルナシティ市長直々に、新たにアステリ社に発行してもいいという話が出たそうで……」

「既にアドアストラと星見重工に出ているものですね。アステリ社が狙っているという話はきいたことがあります」

 ビアンカ刑事が教える。だが、佐波氏は首をかしげた。

「でも普段なら『賭け』という言葉は彼は使わないんですよ。必ずうまくいく方法を考えるから。『計画』というんです。なので、そこはおかしいなと思いました。上場を前にしてオーロラ社から増資の話も出ていて、役員たちも増資に前向きな意見が広がっていたんです。うちの取締役も兼任している大生さんが動いているんだと彼は言っていましたが」

「……やはり大生氏のことはよく思っていなかったと?」

「いいえ。それはないです。大生氏よりも、大生氏の後ろにいるオーロラ社の動きを気にされてるようでした。大生氏そのものはオーロラ社の意思の代弁者だから仕方ない、彼を通じてオーロラ社を説得すればいい、というのが口癖でした」

 ただ、と彼女は付け足す。

「デモンストレーションが必要かもしれない、とも言っていました。言葉による説得には限界があったと」

 ――デモンストレーション。

 どこかで聞いた言葉だ。

 だが、そのときの私には思い出せなかった。

「あなたは普段から端羽氏の面会の取り次ぎをしていますよね、彼が事件前によくミーティングをしていた人を思い出せませんか?」

 佐波氏は少し上を見上げる様な仕草をした。

「……それは、たくさんいますよ。端羽さんは非常にお忙しい方で、会社を大きくするためにいつも必死で……。いろいろな政府の方、企業の方、それに……コンサルティング関係ですね」

 梓紗が身を乗り出した。

「――コンサルティング? どういう人?」

 佐波氏は肩をすくめた。

「それもいろいろですよ! 本当に。経営からQXコンサル――量子化トランスフォーメーションコンサルまで。尤も、端羽さん自身はコンサルなんて要らないぐらいいろいろなことを知ってる人でしたけどね。いつも『ああいうのは投資家を納得させるために使うんだ。僕自身の言うことは彼等信じないからね』って言ってました」

「……変わった人はいなかった?」

 梓紗がなおもたたみかけると、佐波氏は少しだまり、それから自信なさげに口を開く。

「……ひとつだけ、熱心に端羽さんが話を聞いてる人がいました。『政策コンサル』と名乗っていて……ルナシティでRFPを取るのに使っているということでした。あの? これはオフレコなんですよね? 社外秘のことをしゃべるのは本当は禁止なのですが」

「もちろん。捜査以外には使いません。ご安心を」

 ビアンカ刑事が請け合う。ビアンカ刑事の言葉が終わるのが待てないように、梓紗はたたみかけるように尋ねた。

「変わったってどういう意味?」

「……端羽さんも使いたくない様子だったんです。でもしょうがない、という感じでした。無茶なことを押しつけてくる。あんなことやったら日本じゃ逮捕されるよ、これじゃ口利き屋に賄賂を出すのと同じだ、とかなんとか。ルナシティってのは案外……その……野蛮だなとも」

「やったら逮捕……ね……」 

 梓紗は舌なめずりをする。

「――思い出せるなら、でいいのですが。端羽さんが『デモンストレーション』という言葉を使い始めたのは、そのコンサルに会う前? 後?」

「――後です」

 梓紗はにやりと笑った。

「そのコンサルの名前を聞いても良いですか?」

「……『バハ・クラン』というそうです」

「ビアンカ。この事情、箝口令を敷いてくれる? つまり、警察や行政府でも、あなただけが知っている、という状態を保てる?」

「捜査記録は警察内や、それに行政府で共有する決まりですが」

「――お願い」

 静かに、だが、有無を言わさぬ調子で梓紗は言った。ビアンカ刑事タンバらくだまっていたが、やがて頷く。

「……それが捜査の役に立つなら、そのことだけは共有を避けましょう」



NAL社宇宙旅客船「かぐや」船長の名前は藤堂貴結(とうどう・きゆ)といった。

 佐波氏の事情聴取の一時間後に始まった取り調べは、こちらからルナシティのNAL支社に出向いて行われた。立て続けにNAL社のサーバ室と宇宙旅客船が爆破された後とあって、社内は厳戒態勢であったが、捜査関係者ということで我々には優先的に会議をセッティングしてくれた。

 黒字に赤いラインを施した制服姿の藤堂氏は、引き締まった細身の身体で、制服のラインを引き立てていた。三〇代に見えたが、鍛錬のために精悍で若々しい顔つきにみえるだけで、実はもう少し上なのかもしれない、とも思えた。

「職務ご苦労様です」

 きりりと敬礼し、それから制帽を脱いで机の上に置いた。

「どうぞ、お座りになってください」

 藤堂氏に促され、ビアンカ刑事、私と梓紗はNAL社の会議室の椅子に座る。

「我が社のレストランにはもういかれましたか? 最近は『かぐやバーガー』が人気でして、お客様にもご好評なんですよ?」

 にっこりと微笑まれると、その笑みに吸い込まれそうになる。謹厳な中にも楽しげな性格が垣間見える人物と見えた。

 が、ビアンカ刑事が不快そうに咳払いをしたので私は我に返る。

「――社員食堂には行きましたが、捜査のためです。ここにも捜査で来ておりますので、事情聴取に関係のない発言はお控えいただけますか?」

 藤堂氏は一瞬顔をしかめ、それから事務的で謹厳な顔つきになる。

「そうでしたね……このたびは私の『かぐや』での事故によりご迷惑をかけてしまい恐縮です。何でも協力するように、と社のほうからは言われておりますので」

 英語の発音もきれいだ。私は論評するような立場ではないが、つい感じ入ってしまった。

「事件当時、あなたはどうされていましたか?」

「……事件は、LOPG=ルナシティに向けた軌道に乗って、ほっとした頃に起ったと記憶しています。司畑さんから第一報があり、彼に一任しました。その後、運動制御用のAIで捜査に協力したいという人がいるという報告があって、許可いたしましたが……」

 梓紗を見て、柔らかく微笑んだ。彼女の謹厳な雰囲気でぴしりと凍てついていたような場が、やわらかい雰囲気になったような気がした。

「……あなただったのね。捜査への協力、ありがとう」

 梓紗も笑みを返す。

「どういたしまして。私も協力できて光栄だわ。よろしく、藤堂さん」

 親しげな笑みをうかべ、梓紗は手を差し出した。筋電スーツに覆われた手を、藤堂氏はしっかりと握る。そこにビアンカ刑事が口を挟む。

「アズサ……失礼、ミズ・ミナカミの情報はあらかじめご存じだったと?」

「ええ。配慮が必要な乗客の方の情報は、乗客の方からの申告によりあらかじめ把握しています」

「配慮が必要な乗客だけですか?」

 ビアンカ刑事の質問に、一瞬、藤堂氏は考える目をしたが、すぐに迷いなく答えた。

「通常の業務の範囲内のことですが、乗客の皆様の背景情報は全て、警察に照会しています。過去の犯罪歴などがあれば警戒しますし、そうでなくても何らかの考慮が必要な場合があります。全て調べています。その上で座席なども、ご当人の希望とは別のところに配置される場合もあります。更に、その乗客の方々の情報は、円滑な『入市管理』のため、ルナシティ当局とも事前に共有する決まりですが」

「それは誰がやっているんですか?」

「保安責任者……つまり、司畑さんですね」

「では次に、システムのことについて。我々警察では、乗客の端羽氏がシステムに侵入し、外部ハッチを開いたと推測していますが、そのようなことは可能ですか」

 藤堂氏はじっとビアンカ刑事を見る。

「……現在までの社内調査の結果を鑑みるに、身内の恥をさらすようですが、どうやら可能との結論です。QKDIDにもその痕跡がありますし、事実は覆せません」

「どのようにして」

「スペースセキュリティコンソーシアムという標準化団体をご存じでしょうか? そこで標準化特許として提出されているものの一つに、アステリ社の特許である連合QKDID管理システム、FQMSというのがあるそうです。いわば、アステリ社の特許で我々のセキュリティは護られていたのです。自社技術ならばそれを突破する技術も思いつくし、実際これを悪用された、というのが、私が事件後司畑さんから受け取った報告です。その後の社内調査でも、彼の報告を裏付けるような事実しか出てきませんでした。私は技術畑ではないので、それ以上の説明を求められても困りますが。胆澤さんに話を聞かれているのなら、彼の方が寧ろ詳しいでしょう。司畑氏も詳しかったですが、今はいませんし……」

「ミスター・シバタケの報告についての信憑性は? その後の社内調査でも確認されたとおっしゃっていましたが、やはりミスター・シバタケの報告が前提の、先入観のある操舵だった可能性は」

「いえ、それは……」

 藤堂氏は目を落とした。それから、ふと思い出したようにビアンカ刑事を見る。

「司畑さんを疑うようなご質問ですが、彼は容疑者なんですか? 容疑者は乗客の端羽さんだったと認識しておりますが。端羽さんが遺書を残して自殺され、事件は解決したのでは……?」

「……いや、そのような結論に傾きつつありますが、まだ確認作業が残っておりまして」

 ビアンカ刑事は藤堂氏の問いかけ自体に驚いたようだった。

「ただ、司畑さんの調査が慌ただしいものだったに違いありませんので、彼が報告ミスをしていたのではないかという、その確認です。彼が虚偽の報告を敢えて行ったという解釈をされたのでしたら、誤解です」

「ああ、そうなんですね……ならばいいですが」

 妙に引っかかる言い方だ。私は思わず口を開こうとした。

「と……」

 だがそれと同時に、かつ早口で、梓紗が話している。青緑のモノクルを光らせながら。

「藤堂さん。確かに捜査当局は端羽氏犯人説に傾いていますが、それ以外の事実を何かご存じなのか? 何かあれば、是非教えてほしいのだけど?」

 藤堂貴結船長は、首をふった。

「いえ。そんなことはありません。司畑さんは優秀な部下です。いえ……でした。過去形で言わなければならないのは残念ですが。端羽さんも大切な乗客ではありましたが、社内調査の結果、彼が容疑者であるというのなら、私としてはそうであると申し上げるしかありません」

 彼女の言葉は、船長という彼女の職種を反映してか、断固として疑いを差し挟む余地のないもののように思えた。だが、梓紗はなおも食い下がる。

「では質問を変えるわ。質問と言うより確認だけど。私と柚希、大生さんと端羽さんが同じコンパートメントになったのはなぜ? 私と柚希は私が、大生さんと端羽さんはそれぞれ隣同士を希望していたと思うけど、この二つのペアが同じコンパートメントになったのはなぜかしら。私はあのときDではなくもっと後ろのほうを希望していた。そっちのほうが地球が見やすいかと思って。Eインクのチケットは、渡された時点では座席情報は暫定的に希望座席になってたけど、乗り込む直前に見たらDになっていた。宇宙港についてから急に変更を申し込んだからまあしょうがないと思ったんだけど、普通は希望通りにするものじゃない? 何かNAL社さんの方で思惑があったのかと思ったんだけど?」

「それは……司畑さんの職務なので、私は何も聞いておりません。彼を信頼して任せていた、としか――」

 梓紗は目を細めた。

「でも後で記録を調べて何か怪しいと思って、だからつい司畑さんが容疑者か、と聞いたんでしょう?」

「……それはないです。ただ、弊社の社員が万が一容疑者になっているとしたら重大なことですので、その可能性があれば聞いておきたい、というだけです」

「分かったわ。いいでしょう」

 梓紗はそこで口を閉じた。

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