第11話 Ghost

翌日

 雷牙はホテルで朝食バイキングを食べていた。卵かけご飯に納豆、味噌汁。デザートにフルーツ。ご機嫌な朝食を終えてから工場に向かう。事務室に入るとそこにはすでにジャックがいた。


「おはよう、そいえば仕事は片付いたのか?」

「予約の仕事は昨日終わった。はれて閉店、俺はニートさ…」

「そうか、お疲れさん…」


 ジャックはタバコを取り出し、火をつける。一口吸うとこんな事を言い出した。


「空也さんの敵討ちができたのは、雷牙のおかげだ。雷牙に罪をなすりつけた野郎に復讐かますんだろ?」

「あぁ、俺は必ず神道天音に復讐を果たす」


 ジャックはもう一口吸ってこう言った。


「なぁ、俺に協力させてくれないか?お前についていきたいって思ったんだ…それに強くもなりたいしな」

「ありがとう、協力してくれる仲間が欲しかったんだ」


 後ろから声が聞こえる。


「おはようさん、はやいじゃないか」

 そう挨拶をしたのは咲衣だ。そしてその後すぐ零司とある男がくる。


「おはようございます、昨日はお疲れ様でした」

 彼は昨日いた零司の仲間の碑文谷だ。


「雷牙、吉報だ。三谷恭一を抹殺するネタを掴んだ。俺の仲間で斬々抜断キリキリバッタにいる仲間からのネタだ」


 やがて冬吾も合流し、話を聞く。


「斬々抜断…悪流紅蓮威とは比べ物にならないデカい組織だね」


 咲衣はそう呟いた。斬々抜断は龍顎市においてトップクラスの戦力を誇る集団だ。三谷恭一、雷牙を嵌めた人間の一人だ。零司がみんなにお願いをする。


「三谷は雷牙に殺人を被せた神道の共犯者だ。15年も刑務所に入れられて人生を奪われた雷牙の復讐に、みんなの力を貸してくれないか?」


 ジャックはもちろんだと2つ返事だ。咲衣も借りは返すといい了承した。もちろん冬吾も大賛成だ。

 悪流紅蓮威に復讐を果たした彼らはSPEARの解散を宣言し、雷牙、零司、碑文谷とともに新しいチームとして生まれ変わった。新しいチーム名は【Ghost】に決まった。リーダーは満場一致で雷牙に決まりだ。

 神道に潰された人生、その復讐を果たす怨霊。零司の隠密行動もある意味Ghostの名前にピッタリだ。


「では、チームGhostとしての初仕事の作戦会議だ!三谷を潰しつつ、神道を失脚させる!」


 今回、冬吾達に協力をしたことで雷牙はかけがえのない仲間ができた。零司が喫茶店で協力すべきだと言ってくれなければ仲間はできなかっただろう。いよいよ、雷牙が神道達に復讐する第一歩が踏み出される。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る