第10話 咲衣vs赤羽
相手の大将、赤羽がダルそうに前にでる。
「あーあー、めんどくせぇなあ!白川零司!てめぇが相手か!」
「いや、お前の相手は俺じゃない」
「あ?じゃ誰だよ、まさか金山か?」
そのとき、咲衣が前にでる。
「あんたの相手は、このあたしだ」
………
悪流紅蓮威のアジトへ移動する車の中で咲衣はこう言った。
「もし、雷牙の言うタイマンを向こうが受け入れたら、現SPEARリーダーのあたしにやらせてくれないか?」
ジャックと冬吾は雷牙か零司がやるべきだといい反対をした。
「あの人の仇討ちは、あたしの悲願なんだ!頼む、あたしにやらせてくれ!!」
その目に覚悟の炎をみた雷牙がわかったとこたえると、零司も賛成した。そしてジャックと冬吾も不安はありつつも、咲衣を信じることにした。
………
「斎藤咲衣が相手?てめぇ俺を舐めてんのか?」
赤羽がブチギレモードになる。
「あんたこそ、あたしをなめんなよ」
咲衣も本気だ。SPEAR+雷牙&零司VS悪流紅蓮威の戦いはいよいよ大将戦へと持ち越された。赤羽はラッキーだと思った。白川零司が相手では勝てるかどうかわからなかったが、相手が女なら楽勝だと思ったのだ。
「速攻で死んどけ!!」
赤羽が一気に前にでる。次の瞬間。
「ぐぁぁぁあ!!」
赤羽が悶絶し、倒れる。咲衣はドンピシャのタイミングで股間を思いっきり蹴り上げたのだ。そして、床で悶絶する赤羽の顔全体重をのせ踏みつけた。
「姉御、つっよ…」
ジャックがつぶやく
「勝負あり、俺達の勝ちだな」
零司が決着を宣言した。
「やるじゃん」
「当たり前だよ」
雷牙と咲衣が拳を合わせた。赤羽は気を失っており答えられない。森峰が代わりに口を開く。
「…俺らの負けだ。この瞬間をもって、悪流紅蓮威は解散だ。このアホが起きたら言い聞かす」
そして森峰は咲衣達に深々と頭を下げるとこう続けた。
「取り返しのつかないことをしてしまった事をお詫びします。すいませんでした」
「…もういいさ。アンタがやったわけじゃないんだから、頭あげな。やったのは赤羽だ、仇は打った」
咲衣はそう言って踵を返した。
「帰るか、みんな」
雷牙がそう言いと、仲間達は車に乗り込んだ。帰りの車の中、会話はなかった。それぞれ思うことがあったのだろう。咲衣は復讐を成し遂げたことを心の中で空也に報告しているのか、窓の外の星空を見ている。負けたジャックはすこし寂しげに歯を食いしばっていた。
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