第6話 出会い
「ジャック、おつかれさん!お、お客さんかい?」
「いや、俺は雷牙。冬吾に呼ばれてここにきた」
「あぁ、あんたが雷牙か!冬吾から色々きいてるよ、私は咲衣!よろしくね!」
とても気さくで元気な女性だ。その後、冬吾と零司も合流し、挨拶を交わしたあと話し合いが始まる。本題は冬吾が切り出した。
「俺達はいま、悪流紅蓮威のやつらからひどい扱いを受けてるのは話しましたよね、昨日ライガさんの強さを見て、力を貸してほしいと思ったんです」
「冬吾、この人には関係の無いことだろ。巻き込んじゃ悪いだろう」
咲衣が言う、雷牙はその通りだと思った。しかし零司は予想外な事を口にする。
「ところが無関係じゃないんだ。奴らに潜入している俺の仲間から聞いたが、今朝のニュースをみて、昨日一緒にいた俺と雷牙と冬吾が狙われている。一度逃げたときに仲間達に連絡していたらしい。あいつはあのとき戦わずに面白半分で動画を撮ってやがったんだ。俺達が強かったから、焦って逃げて、仲間達に動画を送り、粛清対象にしたのだろう」
「なるほど、結局昨日の時点でもう俺は無関係じゃなくなっちまったってわけだ」
雷牙がそう言うと、零司はこう続ける
「明日の夜九時、俺達とSPEARを粛清する会議がやつらのアジトで開かれる。そこにコチラから出向いて早々に決着をつけよう」
「な!?明日!?いきなりすぎんだろ」
ジャックのリアクションは当然だ。
「…いや、叩くなら早いほうがいい、とっくに腹は煮えてんだ。あたしはやるよ」
咲衣はやる気だ。
「っち、姉御がいくなら俺だっていくよ!」
「僕も行きます!」
ジャックと冬吾がこたえる。
「よし、決まりだな。なら明日夜九時にここを出発。やつらが集まった頃合いで乗り込む」
「でもこっちは5人だぞ、あいつらは何人いるんだ?」
雷牙が尋ねる。
「16人だったが、1人は潜入している俺の仲間だし昨日3人殺したから正確には12人だな」
「!!?」
4人とも驚愕し言葉を失う
「?あぁ、大丈夫だ、何人いようが関係ないさ、大したやつらじゃない」
「いや!そうじゃなくて!お前が殺したの?」
「あぁ、大丈夫だよ、ニュースやってないか?」
ジャックがテレビをつけ、ニュースのチャンネルを探すと、まさに放送されていた。
「昨夜3人を殺害した犯人が自首しました、名前は__」
どういうことだ?と思っていると零司はこたえる
「…この日本にはな、刑務所に入りたいって連中がいるんだ。俺は情報屋…外で一人で孤独に死ぬより、闇金の追い込みより、果ては働くのが嫌だからって牢屋を望む奴を何人も知っている。死刑だとしてもな」
あまりの恐ろしさに4人とも息をのんだ。
「じゃ、明日夜九時にここ集合で。俺は行くよ」
零司は去っていった。
「…あいつ、やばくないか?」
ジャックが言う
「味方なんだから頼もしいじゃないか」
咲衣は前向きだ。
俺達も解散しようとライガが切り出し、解散した。トウゴが気にかけてくれたが、一応刑務作業15年分の金は持っている。雷牙は心配ないと伝えビジネスホテルを探して歩いた。が、結局空き部屋は見つからずウロウロした結果、漫画喫茶に泊まる事にした。
「…明日は土曜日か」
雷牙には行かなくてはならない所があった。
次の日
漫画喫茶をでると、まず雷牙はコンビニにむかい歯ブラシセットを買う。思えば2日も歯を磨いておらず、とても気持ちが悪かった。着替えを購入し、銭湯で体を清める。さっぱりして新しい服に着替えた。準備は万端だ。
「さて、向かうか…」
雷牙は目的地へと歩き出した。
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