第78話
そんな事を思いながら夜空を見上げれば、そこには僅かに散りばめられた星達が。
こんな都会の中心地で見る星でも、この時は自棄に綺麗に見えた。
煌びやかに輝くネオン達に邪魔されて、居場所を無くした様に控え目に光を放つ星達。
そんな星達を少しだけ見つめてから、再びアパートへと歩き出す。
この時の幸せな気持ちは、確かにあたしの中に存在した。
俊ちゃんを好きな気持ちも、ずっと一緒にいたいってゆー気持ちも。
全部全部、あたしの嘘偽りのない、確かな想い。
でも、いつから狂い始めたんだろう。
どうして、狂ってしまったんだろう。
どうして、止められなかったんだろう。
何処で何をどう間違えちゃったんだろう。
そんな疑問符達を並べるあたしは、何も分からないフリをしていただけだったんだ。
本当は、最初から分かってたのに。
分からないフリをする事で、ただ逃げてただけだったんだ。
そんな馬鹿な自分に気付いた時には、もう遅くて。
何もかも遅いと理解した時には、大事なモノはこの手から離れてて―――
ううん。違う。
手を離したのは、あたしだったんだ。
その全てに気付いたのは、もう少し先のお話――――
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