第75話

大きな手で胸の膨らみを弄びながら、鎖骨の辺りからゆっくりとキスを降らせて。




そのキスは徐々に下へと降りて来て、ついには胸の尖端へと達した。




そして俊ちゃんは、尖端を口に含んで優しく刺激する。




『あっ………』




自然に漏れた甘く高い声に恥ずかしさを感じて、自分の手の甲で口を塞げば、俊ちゃんがその手を掴んで引き離して。




『もっと声聞かせて』




と、甘く囁いた直後、再び口に含んだ尖端を強く吸い上げた。




『あっ……んっ………』




俊ちゃんが施す激しくも優しい愛撫に、甘い声と吐息が溢れ出す。




初めて与えられる快楽に、あたしの体は熱く火照って、意識も朦朧としてきて。




自分が自分じゃないみたいだった。









あたしの胸をひとしきり弄んだ俊ちゃんの手が、滑るように下腹部へと降りて行く。




そしてその手は、あたしの中心を捉えた。




俊ちゃんが滑らせた指に合わせて、ヌルリと何かが絡まるのが分かる。




それはあたしの体が、俊ちゃんを受け入れる準備が整った事を意味していて。




それを確認した俊ちゃんの指が、ゆっくりとあたしの中に侵入しようとしていた。




『いっ………』




初めて味わう痛みにあたしが体を強張らせて、激しく顔を歪めると、俊ちゃんはあたしの頭を優しく撫でながら、




『ひより、力抜いて』




と、囁いて、キスしてくれた。

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