微笑みと涙 「バカにしないでよ!!」

第50話

ボーリングで負けた勇介達に昼飯奢らせて、今度はカラオケに来た俺達は採点ゲームで晩飯を賭ける事に決定。




カラオケも得意な俺は当然、高得点をキープしてて、隣人の女もとい、ひよりも何気に歌が上手くて。




結果、晩飯を奢るのも勇介とひよりの友達、由香里に決定。




まさかの2連敗に悔しげな2人に追い撃ちをかけるように『寿司奢れ』と言う俺を言葉をひよりは全否定しやがって。




挙げ句、カラオケ屋のシケた軽食を食わされる羽目に。




なら酒も奢れとゆー俺の言葉に賛同して、4人で生ビール片手にカラオケパーティーが始まった。




歌いまくって渇いた喉をビールで潤しながらタバコに火を点けると、隣に座ってるひよりと正面にいる由香里が何やらLINEのやり取りをしてて。




俺は大して気にしないが、ひよりをからかいたくて、その顔を覗き込む。




『2人して何コソコソしてんの?まさか飲むだけ飲んでバックレる相談か?』




と、わざと怪訝な顔で問い掛ける俺に、ひよりは慌てた様子で答える。




『ちがうよぉ。何でもないから気にしないで』




取り繕った様な笑顔が気に入らなくて、尚も疑いの眼差しを向ければ。




『信用出来ないなら、あたしのバッグ預けようか?』




なんて言いながらバッグを差し出すひより。




俺はフッと顔を逸らしながら素っ気なく応える。




『いいよ。バックレたらバックレたで勇介が全部払うし。アイツは切ねぇだろうけど、その程度の女達だったって事でキレイサッパリ忘れんだろ』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る