第46話

それぞれが得意な歌をセットして、晩ご飯を賭けたカラオケゲームスタート。




その結果。




『誰だよ~、晩飯賭けて得点競うとか言い出した奴~!』




『もぉ、信じらんない~!』




と仲良く撃沈するのは、またもや由香里と勇介クン。




由香里は地声が低くてハスキーなのに高音の曲ばっかりチョイスするから得点が出なくて。




もっと低音の曲選べばいいものを。




そして勇介クンは、以外や以外。




歌が下手だった。




そしてそして壱星クン。




彼はカラオケの得点の取り方を知ってる。




ただひたすら、原曲通りに歌ってて音程もリズムも文句なしに完璧。




ロック、ヒップホップ、R&B、バラード、色んなジャンルを歌ってたけど、歌う曲全て90点以上出しちゃう。




ホントに憎ったらしい。




でもあたしも全曲90点以上とったもんねー。




とゆー事で、80点以下を6回出した由香里と、全曲70点台をマークした勇介クンが晩ご飯を奢る事に。




(少しかわいそう)




負のオーラを纏う2人に同情するあたしの隣で、背もたれに両腕を乗せて長い足を組みながら踏ん反り返る壱星クンが言う。




『どうせなら豪勢に寿司でも行こうぜ』




と。




酷い男だ。




だからあたしは全否定して、




『せっかくだから、ここで軽食頼みながらもっと歌おうよ』




と提案した。

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