第43話

車に乗り込んでから20分程で着いた巨大アミューズメントパーク。




中にはカラオケルームやらボーリング場やらスケートリンクやらゲーセンなんかが揃ってて、一日中遊んでられる。




まずはボーリングしようと言う勇介クンの提案で、ボーリングの受付に行くあたし達。




受付の女の子が勇介クンと隣人クンに見とれながら接客してる事に、由香里は少々不満げな様子で。




ヤキモチ妬くところか?なんて思いながら受付が終わるのを待ってるあたし。









受付が済んでボーリングシューズを借りて、いざゲーム開始。




何故か勝手にペアを作られて、由香里と勇介クン、あたしと隣人クンでお昼ご飯を賭けた勝負をする事に。




やたら張り切る由香里と勇介クンを余所に、あたしはここに来て初めてまともに隣人クンに話しかけた。




『あたし下手だから、負けても怨まないでね?』




そう言うと隣人クンが、




『ハナっから期待してねぇ』




と、そっけなく一言。




(む、むかつく~!)




内心ムカつきながら悔しげに地団駄を踏むあたしを一瞥した隣人クンが、




『名前、ひよりってゆーの?』




と。




低く澄んだ声に名前を呼ばれて、何故かドキッと小さく跳ねた心臓に疑問符が浮かぶ。




『うん。平仮名でひより。“いっせい”ってどうゆー字書くの?』




プレイ標の画面の名前は勇介クンが書いたもので、全部平仮名だった。

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