第41話

すれ違う女の子達だけじゃない。




不覚にも、俊ちゃんラブなあたしでさえ見とれてしまった。




でもでも!




あたしの好きなタイプは俊ちゃんみたいな爽やかイケメンだ。




隣人クンのイケメンぶりは認めるけど、好みのタイプではない。




しかも人の面前でキキキキスなんかするようなハレンチな男なんて、断固拒否!




1人でブンブンと頭を振りながら自分に言い聞かせる様に心の中で叫んでいると、隣にいる由香里が再び小さく耳打ちする。




『隣のイケメン君もイイ男だけど、あたしは勇介クンのがタイプだから安心して』




と。




いや、由香里さん。




『安心して』の意味が分かりません。




何処をどう安心すればいいのやら。




あたしにとって、俊ちゃん以外の男なんてアウトオブ眼中なんだから!









そうこうしてるうちに勇介クンの車の前に到着したあたし達4人。




目の前には、ランドクルーザーと言う大きな車。




真っ白な外装はピッカピカで、綺麗に手入れされてるのが分かる。




由香里が、『こうゆー車好き~』とキャピキャピしてる姿を嬉しげに見遣る勇介クンは、パンツのポケットからキーを取り出した。




そして、何故か隣人クンにそれを渡す勇介クン。




手渡されたキーと勇介クンの顔を交互に見遣る隣人クンが、




『は?』




と素っ頓狂な声をあげて。




確かに『は?』と言う言葉が似合う場面だ。

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