微笑みと涙 「女に逃げられた事ねぇから」

第40話

気まずい思いで鎮座しているあたしと、つまらなそうな顔してそっぽ向いてる隣人を余所に、由香里と勇介クンはすっかり意気投合してて。




これから向かう遊び場について盛り上がってる。




そして由香里の提案で、最近新しく出来た巨大アミューズメントパークに行こうとゆー事に決まったらしく。




でも市内郊外にあるソコに行くのに、徒歩だと時間がかかる為タクシーを拾うと言う由香里に勇介クンが得意げに、




『俺、車で来てるから』




と。




それを聞くなり由香里が『ならさっそくレッツらゴ~!!』と寒~い掛け声を口にして。




苦笑いを浮かべるあたしと、目が点になってる隣人クンの横で、由香里と勇介クンはテンション上がりっぱなし。




自然とこぼれた溜息が、目の前の隣人クンの溜息と見事に重なった。








近くのコインパーキングに停めてあると言う勇介クンの車を目指して歩いていると、由香里があたしに小さく耳打ちする。




『隣のイケメン君もめっちゃカッコイイじゃん』




由香里の言葉に反応して、勇介クンと何やらどつき合ってる隣人クンの横顔をチラリと見る。




確かに、カッコイイと思う。




背も高いし、広い背中や肩幅はバランスが取れていて野性的なイメージだ。




引き付けられる様な切れ長でキリッとした二重の目に、漆黒の瞳。




スッと通った鼻筋。




形のいい唇。




綺麗に整った輪郭。




全てにおいて完璧に整えられてて、まるで彫刻の様な容姿。



『抱かれたい男ランキング・一般人部門』があったら間違いなくベスト3には入るだろう。




その証拠に、すれ違う女の子達が頬を染めながら彼を振り返ってる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る