第34話
スタバに着いて店内に入ると、俺を見付けた勇介が苛立った声を上げる。
『お前おっせぇよ!』
『勝手に呼びつけたクセに文句言ってんじゃねぇよ。俺は忙しいんだ』
開口一番に文句を言われた俺は、勇介に負けじと苛立ちながら答える。
そんな俺を嘲笑うかの様に勇介が、
『女と別れてヤル事ねぇクセにどこが忙しいんだよ』
なんてほざきやがる。
ムカツク。
勇介とは小学生からの腐れ縁で、言わば幼なじみってやつだ。
俺と一緒で口は悪いが、仲間思いのイイ奴なんだけど、少々自分勝手な部分もあったりで、人の都合を考えないのがたまに傷だ。
でも仲間思いなだけに、今日の呼び出しにも訳があるのだろうと悟った俺は、面倒くさがりながらもこうやって出て来てるわけで。
『で、何の用だ』
『店内禁煙』の掛札に若干イラッとしながら問い掛けると、勇介は満面の笑みで答える。
『梨華と別れた可哀相な壱星クンを慰めてやろうと思ってさ』
と。
ほらな?仲間思いだろ?
…………ブチッ。
『~~~!んなくだらねぇ事でいちいち呼び出すな!大体、俺がフッたのに何で慰めて貰わなきゃなんねぇんだ!アホかテメェは!』
あまりにくだらなすぎる理由で呼ばれた事に腹を立てた俺が頭ごなしに怒鳴りつけても勇介はダメージを受ける気配すらなく、むしろ首を傾げながら不思議そうなツラしてて。
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