第28話

それから暫く3人(正確には由香里と勇介クン)で雑談を繰り広げて。




勇介クンとお友達はこの春から大学生らしく、あたし達より4つも年下だそうで。




『10代からみたらうちらなんてオバサンでしょ~?』




なんて言う由香里に、




『そんな事ないよ。普通にタメくらいかと思ってたし』




と答える勇介クン。




しまいには、




『こんな綺麗な人なら年上でも全然オッケーだし!』




とか言って。




そんな煽て文句に由香里はテンション上がりっぱなしで。




あたしは心の中で、




(けっ!!ナンパ野郎の言葉なんて真に受けるなっての)




と、毒を吐いてみたり。









由香里といるとナンパ なんてしょっちゅうで、それは昔から変わらない。




それが目的で由香里と一緒にいるんじゃないかって陰口叩かれた事もしばしば。




確かに由香里といれば出会いに不自由しない。




でもあたしは正直、ナンパ野郎は嫌い。




てか、軽い男が嫌い。




だからこんな出会いは望んでないし、そこから恋愛に発展する事も有り得ない。




今までもそうだった。




そして今は俊ちゃんとゆー大好きな彼氏がいる。




だから尚更、こうゆー出会いは避けたいのだ。




今日の出会いも、あたしにとってはその場限りで終わる。




由香里だって、何だかんだ言っても光太郎さん一筋だから、今日だけ楽しんだら終わりのはず。




そう思ってたのに。




由香里ではなく、あたしが狂わされて行くなんて―――――。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る