第9話

パンをムシャムシャたべながら簡単に返信。




そして彼氏の俊ちゃんにモーニングLINE。




これも毎日の日課。




忙しい俊ちゃんからの返信は来たり来なかったりだけど、それでもいいの。




その分、会った時にうんと甘えさせたてくれるから。




今度のデートは何処に連れてってもらおうかなぁ。




就職祝いって言ってたし、いつもより贅沢言ってもいいのかな?




(ディズニー行きたいなぁ)




そんで夜景が綺麗なホテルでディナーして、バーでカクテル飲んで、そのままお泊り………とか?




『きゃぁぁ~!』




1人で勝手に盛り上がって興奮してる自分に気付いてハッと我に返り、意味もなく『コホン』と咳ばらいをしたりして。




気を取り直して朝食再開。




食べ終わるなり急いでメイク開始。




変な妄想に時間を費やしたせいで、時計の針は9時を指していた。




由香里は時間にうるさい。




1分でも遅れる訳にはいかないのだ。




急いでメイクして着替えて鏡でチェック。




全ての支度が終って再び時計を確認すると、9時40分だった。




ここからだと急げば15分で着くかな?




なんとかお説教は免れそうだと安堵しながら玄関を出て、しっかり戸締まりをして階段に向かって足を踏み出した時だった。




隣の部屋のドアが開き、昨日の彼が現れた。




昨日のスウェット姿とは打って変わり、黒のジャケットに白のプリントTシャツ、ダメージ素材のジーンズに黒いスニーカーと言うカジュアルな格好の彼。

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