第7話
妖艶なそれに、蛇に睨まれた蛙状態になっていると、その瞳が僅かに細められた。
そしてゆっくりと目を瞑った彼は、ポケットに突っ込んでいた手を引き抜き、女の腰に腕を回した。
直後には、貪る様な激しいキスが始まって。
激しく絡み合う唇からは、なまめかしい水音が漏れて来て。
何故か見せ付けられてる様なその行為に居ても立ってもいられなくなったあたしは、重たい荷物を持つ手にグッと力を込めて部屋へとダッシュした。
急いで鍵を開けて部屋に駆け込み、バタンッとドアを閉めて鍵をかけた。
そしてドアに背中を預けてヘナヘナとその場に座り込む。
(なんなの、アレ……)
なんか、完璧に見せ付けられて、しかも馬鹿にされた感まであるんだけど気のせいだろうか。
なんにせよ、隣人はスウェット姿の彼の方だろう。
女の方は肩にバッグをかけていた。
あんなのがお隣りさんだなんてヤダなぁ。
堂々と人にキスシーンを見せ付ける男なんて嫌。
こんな単身用のアパートでご近所付き合いなんてないだろうけど、用心するに越したことはない。
(関わらないように気をつけよう)
そう自分に言い聞かせて腰を上げる。
大量の荷物を冷蔵庫にしまって、ビールを片手に今夜の夕飯をペロリとたいらげて、熱めのお風呂に入った。
湯上がりにミネラルウォーターをコップ一杯飲んで、念入りにスキンケアをして、真っ白なロフトベッドにダイブ。
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