第12話
「おー、田坂。遅ぇよ。」
「…ちょうどでしょ。」
「10分は過ぎてるわ。」
「あ、秋来られなくなったから。」
「はあー?なんで。」
「スマホ見つかって、反省文中。」
俺がそう言うと、ため息とあいつらしいわと呆れた声をだしていた。
(…地頭良いんじゃなかったのかよ。)
あれから、17時半には起こされて、あとは行くだけって時に、秋の彼女からの連絡が届いて、
そこに、運悪く、担任現れて。
あとは、察しの通り。
「取り敢えず、好きなドリンク取って、フリーだって。あとは、ちょっとしたゲームとか始まるらしい。」
「……へぇ。了解。」
「あ、途中で帰るときは、俺には連絡しといてな。」
「(……読まれてる。)」
軽く頷いて、ウェイターから烏龍茶を受け取り、周りを見回す。
俺みたいに制服のやつなんてそうそういなくて。
男も女も気合いがはいった格好をしていた。
と。
ひとり、不思議な動きをしている女がいた。
前を通りすぎる人に、話しかけようとしては止め、近づこうとしては、退き、その度、何度目かのグラスに口をつけていた。
(……話しかけたいんだろうな。)
なんとなく、見てて、話してみたくなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます