第10話
彼女、はる音と出会ったのは、高校生の時。
女子高出身のはる音と共学の俺では、接点というものはなく。
かといって、ドラマのように、通学電車が同じなんてこともなく。
自然と知り合うことなど、到底なかった。
ただ、いつも通り、
学校に行き、授業を受け、
休み時間に友達と喋り、
チャイムが鳴り、学校が終わる。
たまに、放課後友達と遊び、
その中に女子が混ざり、
必然的に合コンというものに変わる。
その度、すぐ帰宅する。
それが、俺の普通な日常だった。
そんな時、大規模な合コンの話が持ちあがった。
合コンというと聞こえが悪いらしく、表向き交流会と銘打たれていた。
どうやら、近隣の高校同士で仲を深めようというものだった。
近くにある女子高と特別仲が悪い訳ではなかったが、仲が良い訳でもなかったため、地域交流の一貫のためらしい。
が、本当のところは、すれ違ってもお互いの高校が挨拶すらしないのはどうなんだと近所からのクレームがはいったとかなんとか。
そんなの、今時、高校問わずしねぇよ、と言いたいところだったが、そういう圧に弱いのが学校というところで。
当然、欠席のつもりでいたのだが、
「田坂、お前は強制な。」
「お前いると、人集まるからさ。」
「人ってか、女だろ。」
そんな声が集まり、勝手に◯を付けられてしまった。
男子サイテーと、最低の烙印まで押されて。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます