第48話
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あれから、結局一緒にご飯を作って
一緒に片付けもして
「秋乃、風呂沸かしてきたから先いーよ。」
「え、良いんですか。佐々木さん先良いですよ。」
「いや、俺はいーよ。」
「……え。入らないんですか。」
「・・・・いや!もう、入れながら入ってきたってことだよ!」
バシッと持っていたタオルで叩かれた。
「痛っ!わかってますよ。髪とか首濡れてますもん。」
ふふと笑っていると、
ぐしゃぐしゃになった私の髪を整えてじっと見つめてくる佐々木さん。
そのまま自然に髪に指を通し、小さく息を吐き出し近づいてきた。
彼の息が鼻先を掠めた……ところで止まった。
今までにないくらい近くに佐々木さんを感じる。
綺麗に閉じられている瞼をゆっくり開いた。
少しでも身体を動かせば、私の唇と彼のそれが触れる、そんな距離だ。
「っと………これ以上は、まずいな。」
そう言って、少し距離をとり、
頭にあった手に再び引き寄せられ、彼の胸に抱きすくめられた。
「あー、悪い。待つって、決めたのに。なんか、お前離れていきそうで・・」
「いえ、私こそすみません。はっきりしなくて。告うのだって、今日まで我慢してくれてたのに……」
「・・ばか。お前は、そんなこと気にしなくていいの。
立ち直るのなんて、人それぞれだろ。
皆が皆すぐ立ち直れるとは限らない。俺が勝手に待ってるだけなんだから。」
な、そんな顔すんな、と私の頬を掴んだ。
「…………はい。とりあえず、お風呂頂きますね。」
「おう。」
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