第47話
なら、まだ良かったんだと思う。
(…だけど、)
私は、それを聞いた瞬間、
涙が零れていた。
このことの方が、
真っ直ぐに向き合ってくれていた佐々木さんを否定するようで
この3年を不意にしてしまうようで
(…嫌だった。)
最初の1年…いや、2年なった初めまでは、
いつまでも思い出しては泣き、思い出しては泣き、を繰り返していた。
だけど、最近は殆ど思い出すこともなく、例え思い出したとしても、
幸せになってほしいな。
という気持ちとともに、風化していっていた。
そう、思っていた
(それなのに…)
その望み通り幸せになっているカレを知って泣く、なんて。
私は、どれだけあさましい女なのだろう。
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