第30話

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「おーい、宮坂。これも、よろしく。」




そう言って、私の頭に資料をのせてきたのは紛れもなく


朝、私を寝かしつけた、佐々木さんだ。





”おはよ、秋乃。今度は俺が先だな。”






(さっきは、あんなに優しかったのに…)



今では、後輩の頭に資料をのっけて笑っている。



なんとなく、むっとしてじーっと見つめていると、





「なに、ぼーっとしてんだ。」





という言葉とともに、ベシッと資料で軽く頭を叩かれた。





「…痛いですよ、佐々木さん。これは、れっきとしたパワハラです。」




「・・何が、パワハラだ。お前、パワハラの意味を調べ直せ。」




バシッ




「いだ!また、たたいた!華城さーん、また佐々木さんがパワハラを・・」




「何、あんたたちまたやってんの。佐々木、あんた少しは、」




「いや、ちげーよ。こいつがまた意味のわからないことを・・」




「責任転嫁ですか、佐々木さん。それは、良くないですね。」




「いや、責任転嫁とかじゃなくて、お前が…」




「そうね、宮坂の言う通りだわ。責任転嫁は良くないわ、佐々木。」




「…もう、わかった。わかった。俺が、悪かったから。宮坂、とりあえずこれやっとけよ。」




頭にポンと手をのせ、去っていった





と思ったら、




「あ、宮坂。昼一緒食べよーぜ。俺、お前の弁当食いてえ。…華城もいていいし。」




そう言って私の鞄からでている青色のお弁当の袋の紐をチラッと見た。



青色は、佐々木さんの好きな色、だったりする。





「私は、ついでかい。」



「はは。悪い、わるい。」




と笑いながら廊下に消えていった。



(否定、しないんだ…)

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