第25話

それから。



気が付いたら見慣れないベッドの上だった。




 

「ん?起きたか。」




横から声がして見てみると、佐々木さんがベッドに頬杖をついて、顔を覗きこんでいた。




「・・佐々木さん・・。私、」




「あのまま寝たんだよ、お前。」



 

「・・・あ、すみません。」




先程の自分の失態が走馬灯のように蘇ってきた。





それに、



私がいたのはキッチンで、今いるのは寝室。




「さ、佐々木さんもしかして・・」



「まあ、俺しかいないから俺が運んだけど。お前、軽すぎな。」




「・・本当にすみませんでした。今度お詫びさせていただきます。」




「いーって。それより、一人暮らしでもちゃんと食えよ?軽すぎだから。」



 

そう言えば、あんなにちゃんとしたご飯食べたのいつぶりだろう。


話があるって言われてから、今日に至るまで何も食べる気にならなかった。


(嫌な、方向にしか、考えられなくて。)





”・・・アキ、俺・・”






(あ、)


(…やばい)



「おい!!」



 

…と、


 

激しく私を呼ぶ声に引き戻された。




「・・・宮坂。」




(そんな目で見ないで。)


涙が溢れそうになる。




「・・何も考えなくていいくらい、俺見とけ。」

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