第23話

______________







私が食べ終えると、



「おし、俺、煙草きれたから下のコンビニ言ってくるな。」



ポンと私の頭に手をおき、玄関に向かう佐々木さん。




「あ、勝手に帰んなよ。すぐ、戻るから。」



口角をあげて笑い、扉の向こうに消えていった。







「・・なんか。」




(変な感じ…)


(すぐに戻ってくるってわかってるのに。)



(追いかけたくなるなんて…)


 


そして、また一人の時間。



何も、音のない時間が、怖い。



すぐ、思い起こされる…彼。




(何かしないと…)



そう思い、勝手だが、お皿を洗うことにした。







泡をつけお皿を綺麗にし・・て・・・




”アキ、これもお願い。”





「あっ・・・。」




と思ったときにはもう遅く、



ザーッとたたきつける水音が部屋中に鳴り響く。










‟アキ、俺も手伝おうか。”



‟大丈夫だよ、これくらい。”



‟じゃあ、今度は、俺がするから。”






(‟今度”は、)


(二度と…来ない)

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