第22話

そんな考えを振り払うように…




「佐々木さんは、やさしーですね。」



軽く冗談のように言ってみる。





「・・・だろ?だーれかさんの面倒みるには、これくらい寛大じゃないとねー。」



と言いながら、私を見る。





(…え、)



「もしかして…そのさっきも言ってた誰かさんって、」



「お前しかいないだろ、俺お前の教育係だし。」



 

そう言われてみると、



「・・そうですね。ん、おいしい。」


(まぁ、そうか…)



「・・・なんか、いいよな、お前。」



 

じーっと私を見ていた佐々木さんはそう言って、笑った。

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