第21話
_____びっくりした
その一言に尽きる。
「…佐々木さんって、料理もできるんですね。」
きちんと盛り付けられたパスタを見て。
「・・・お前、さっきから俺をなんだと思ってたんだよ。まあ、たしかに普段はやらねーけど。」
「すごいです。わー、なんかもう感動…。じゃあ、遠慮なく、いただきまーす。」
パチンと音が鳴るほど手を合わせる。
そんな、私に
「・・宮坂って、相も変わらず自由だよな。」
肘をついて呆れている様子の佐々木さん。
「・・それって 褒めてます?」
「どーだろーな?」
と口端をあげて笑っている。
佐々木さんは、
(本当に、やさしい…)
(そう、思う。)
恐らく腫れていて、赤くなっているだろう目には未だ触れてこようとしない。
何も聴かず、私といつも通りの会話をしてくれる。
思い出したくない、でも忘れたくもない…
そんな感情をすべて理解してくれている、そう錯覚してしまいそうになる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます