第362話 滅んだはずの国の平民

 おはようございます。ロウです。街に行くよ。



 そろそろ自前のダンジョンでの修業も終わりだ。必要であれば、また戻ってくるけど、今やる事は終わった。俺の念話もそうだけど、グラニに戦闘系のジョブを身に付けてもらっていたんだ。


 これがグラニの情報メモだ。


【名前】グラニ(鳥人)【レベル】31

【称号】なし

【加護】なし


【ジョブ[・表示]、スキル[:表示]、魔法[〇表示]】

 [物理系ジョブ関連]

 第一位階

 ・見習い騎士LV3 [NEW]

  :盾術LV3 [NEW]

 ・見習い槍士LV2 [NEW]

  :槍術LV2 [NEW]


 [魔法系ジョブ関連]

 第一位階

 ・見習い魔法使いLV23 [NEW]

  :魔力感知LV10 [NEW]

  :魔力操作LV8 [NEW]

  〇|生活魔法LV4 [NEW]

 ジョブ無し

  〇光復リカバーLV2 [NEW]


 [生産系ジョブ関連]

 第一位階

 ・薬師LV20

  :調剤LV20

 ジョブ無し

  :採取LV10(ジョブ制限)


 [その他のジョブ関連]

 第一位階

 ・見習い管理師LV8

  :整理LV30(ジョブ制限)

  :整備LV10

 ジョブ無し

  :潜伏LV10(ジョブ制限)

  :鑑定LV10(ジョブ制限)


 [総合強化スキル]

 :器用LV30

 :集中LV4


 [身体能力強化スキル]

 :飛行LV13


 [条件強化スキル]

 なし


 [攻撃強化スキル]

 なし


 [防御強化スキル]

 なし


 [回復系スキル]

 なし


 [耐性系スキル]

 :耐毒LV1 [NEW]

 :耐麻痺LV1 [NEW]


 [状態異常系スキル]

 なし


 [精霊系スキル]

 なし


 [生産補助系スキル]

 なし


 [その他]

 :嗅覚LV10



 まずは、魔法系かな。


 [魔法系ジョブ関連]

 第一位階

 ・見習い魔法使いLV23 [NEW]

  :魔力感知LV10 [NEW]

  :魔力操作LV8 [NEW]

  〇|生活魔法LV4 [NEW]

 ジョブ無し

  〇光復リカバーLV2 [NEW]


 光復リカバーの魔法までは覚える事が出来た。この後は、光術師がまだだから光気エナジーの魔法でもいいし、魔法薬のために水封シールの魔法でもいいかな。


 次に、武術系。


 [物理系ジョブ関連]

 第一位階

 ・見習い騎士LV3 [NEW]

  :盾術LV3 [NEW]

 ・見習い槍士LV2 [NEW]

  :槍術LV2 [NEW]


 [耐性系スキル]

 :耐毒LV1 [NEW]

 :耐麻痺LV1 [NEW]


 盾と槍を身に付けてもらった。見習い騎士が増えたので、ついでに耐性スキルも覚えてもらったんだ。


 薬師としての興味もあったみたいで、グラニは普通に毒薬と治療薬を飲んでいた。俺も当然耐性のレベル上げをしたんだけど、二人で毒になりながら、治療薬の味をどうにかしたいよなって話をしていたな。



 それで、目的である戦闘系の祝福が増えたので、グラニには冒険者になってもらおう。ちなみに、グラニは十三歳なので、見習い冒険者ではなく冒険者スタートだ。


 街に入るために、四人で並ぶ。俺とフェリナ、ロコ、そしてグラニ。今日、ロコには、グラニの頭の上に移動してもらっている。保護者だね。


「次。三人だな。身分証を」


「冒険者が二人と、冒険者になりにきた弟子が一人です。これが俺の冒険者証」

「おう、Bランクか」


「私の冒険者証です」

「うむ、Cランクだな。それで?」


「僕の住民証です」

「うむ、ん? これはなんだ?」


「鳥人達の街の住民証ですよ。山向こうの」

「山向こうの? 他国か?」


「はい。弟子はイラパサルク王国ですね。ほら、ここに書いてある通りです。魔物の領域を越えた先にある国境砦がない国ですよ」

「はっ? あー、Bランク冒険者か。分かった。俺がどうにか出来る範囲じゃないのは分かった。ちょっと待ってろ」


 人を呼んでくるみたいで、俺達は門の横で待つことになった。後ろの人は、他の門番さんに対応してもらって、中に入っていく。



 しばらくすると、三人のお偉いさんを連れてきた。一人でいい気がするけど。


 そして、その人たちを守る護衛が十三人かな。これは逆に少なめだね。まともなBランク冒険者だと思われているんだろう。


「この三人です。えっと、こちらが」

「俺がチームリーダーのBランク冒険者のロウです」


「私はCランク冒険者のフェリナです」

「僕は弟子のグラニです。ロウ師匠の弟子です。イラパサルク王国から冒険者になりに来ました」


『師匠、これでいいんですよね?』

『あぁ、大丈夫だ。秘密は守りつつ、嘘は言うな』


『はい!』


 打ち合わせ通りに自己紹介は済んだ。後は向こうの対応次第。ここでダメなら、他の国で同じことをやるだけだ。


「鳥人か……。自分の国の国旗は分かるか?」


 その質問に、槍の尖っていない方を使って、地面に旗の絵を書くグラニ。


「は、はい。えっと、こうなって、こういう感じが国の旗で、こうなっているのが街の旗です」

「街の旗?」


「はい。ネティアネイラの街の旗です」

「おい。確認しろ」


「はっ!」


 部下に指示をして、何やら資料を確認させている。イラパサルク王国の資料があるんだな。おそらく貴族だろうな。平民に情報がないのは、嘘つきを見分けるためとかなのかな?


「あります。北の漁港です」

「北の……。国のお金は持っているか?」


「えっと、街硬貨なら。これです」

「昔のお金は使えないみたいで、領主であるベネキット家が作っているお金が使われていました」


「領主が作った街硬貨。……情報はあるか?」

「はい。ネティアネイラの街は、ベネキット家です」


「うむ。Bランク冒険者のロウと言ったな。イラパサルク王国の王都は通ったか?」

「はい。高い所から王都があった場所を見ました。壁や建物は残っていましたが、中は魔物の巣になっていましたね。今の領主様であるゲイン・ベネキット様とお話させていただきましたが、当時のダンジョンは東のティグロスが消して、新たなところからあふれているのではないかと思われています」


「うむ、そうか。それで、もし北の漁港へ行く護衛の指名依頼があれば受けてくれるんだろうか?」

「強い魔物はいませんでしたので、漁港へ行くのにBランクの護衛は必要ではないと思います。どちらかというと、行く人の体力、食料の量が重要。しっかりと旅先で休憩できていれば、北の山を越えた後は東へ馬で三十日程度。馬車では行けませんが、場所は海沿いをいけば迷うこともないはずですので」


「馬車は無理。それはそうか。大した魔物はおらず。そして場所は分かりやすい。道案内は必要ないか。……近道があるわけではないのだな?」

「はい。どちらかというと、俺達はけわしい山道を歩いてダンジョンを探していましたので、参考にしない方がよろしいかと。街が見つかるとは思ってもいなかったです」


「そうか……。それで、弟子という話だったな?」

「はい。人助けをしたら懐かれました。弟子にして欲しいと言われたので、冒険者にさせるために、この街に連れて来ました。入れるでしょうか?」


「同じチームになるのだな?」

「はい。弟子を入れて三人のチームになります」


「であれば、問題なかろう。登録までは確認させるが、通ってよい」

「はい。ありがとうございます」


「ありがとうございます」

「ありがとうございます!」


「うむ。……確認だけはしておくようにな」

「はっ!」


 二人のお偉いさんは護衛を連れて帰って行った。残った数名の護衛とお付きの部下さんが、確認して報告するんだろう。一番偉い人の部下ではあるんだろうけれど、この人も服装的に貴族なんだよな。護衛か門番さんが確認すればいい気がするよ。


「それでは行きましょうか」

「はい」


 部下さんと共に冒険者ギルドへ向かう。その後は、部下さんの身分もあり、ギルドでの対応が丁寧だった。そして、特に問題もなくグラニは冒険者になれた。


「確認はできましたので、私はここで」

「はい。ありがとうございます」


 離れて行ったのを確認して、思わずグラニが脱力する。


「緊張したー」

「ははっ、分かるけどな。まあ、優しかっただろ」


「はい。想像していたより、あまり聞かれることもなかったです」

「そうだな。一番知りたかったのは、本当に今も街があるのかだったんだろう。嘘は言っていないし、後は確認できること。当時を知らないグラニには、他に聞きたい事が無かったんだろうな。よし! それじゃあ、依頼を確認して、今日中にいろいろと終わらせようか」


「はい。頑張りましょう」

「はい、師匠」


 ここまでは順調だ。後で何か言われるかもしれないので、この街でやる事を、さっさと終わらせて出発しよう。



 この街の後は、帝都に行く予定だ。完治したムルルを家族に会わせたいからね。

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