第4話 家……が?

 リビアンはモゾモゾ動き起き上がろうとするが、カイトに抱き締められて居て動けなかった。



 え~っと?今のこの状況……は?確か……、父様と話をしていたはず?

 それで、色々衝撃的な事が……あって、疑問とかも?ツッコミ?したい事が……。

 でも、父様の顔見てると、何だか全部どうでもよくなるっていうか……。

 はっ!?これが!?まさかの魅力?なのでは!?



「うん。違うからね?それから、おはようリア。よく寝れたかな?」


 いつの間にか起きていたカイトが、笑うのを我慢しているみたいで、目に涙を溜めながらリビアンに話しかける。


「おはよう、父様。もしかしなくても……、また、…私声に出して?」

「出てたね、確りと。それから、さっきも言ったけど……、私に魅了系のスキルは無いからね?」


 そういいながら、「はい、証拠」とステータスを見せてくる。


『   ステータス   

 

  名前 カイト・キリクル


  職業 ゴーレムマスター  


  スキル 生活魔法 付与魔法 植物魔法

      土魔法 結界 アイテムボックス

              

    (表示不可)            』



「ね?魅了なんて、無いだろ?」

「……本当…だ…。なら、父様が……カッコイイだけ?」


 リビアンの声は小さかったが、横に居るカイトには十分な大きさだったから、その言葉を聞いたカイトの顔が赤く染まる。


「っんんん、取り敢えず……起きて、ご飯にしようか?昨日は帰ってから、食べてなかっただろ?」


 ご飯と聞いてリビアンのお腹が、クウーーと鳴る。


「あぅ……、恥ずかしい……。」


 そう言いながら、今度はリビアンが顔を赤く染める番になった。


「可愛い音がしたから、急がないとだね?リア?」

「父様……。からかわないで~。……あっ?食べたら、急いでこの国から出るんだよね?」


 リビアンは誤魔化す為にも、話していて思い出した事を慌てて聞く。


「あ〜、それね……。もう……というか……、今?移動中なんだよねー」

「へぇ!?」


 一瞬、カイトが何を言っているか分からなくなり、目を見開き驚くリビアン。


 そんなリビアンをカイトは、まぁ驚くよな〜っと、ニコニコしながら見ていたが、リビアンを抱き上げて窓の側まで行き、外を見せた。


「今………、私達は空の上に居るんだよ。だから、コレでゆっくり国外に行こうね?」

「凄いけど!?っえ?何で!?家が飛んでるの〜!?」


 何故か寝ている間に、家が空を飛んでいて、しかも国外に移動中だったリビアンは混乱した。


 カイトはそんな、リビアンの反応を楽しそうにニコニコしながら見ている。


「フフ、どう?凄いだろ?ちょっと家を?敷地をゴーレムにして、飛行させてみたんだ」

「うん!!凄すぎ!?

 アレ?ーーーところで?この家?は何処に向かってるの?国外なのは分かるけど……?」


 得意げに言うカイトをリビアンは、かっこいいな~と思いながら、ふっと飛んで?何処に行くんだるうと思って、聞いてみる。


「えっ?ーーああ。取り敢えずは、国境に行ってそれから、滅んだ隣の隣の国に魔力濃度が高過ぎて、ナニも生きられない場所があるんだ。まぁ、隣の国が滅んだのは………。その先に滅んだ隣の国から高過ぎる魔力が来て、生き物が生きられない場所が段々広がったせいなんだよね」

「?ナニも?そんな場所に行くの?何で?」


 ナニも生きられないとカイトは明るく、嬉しそうに笑顔で言い切り。そんな場所に行くと言い出した。


「うん。まず、この家ゴーレムでね?魔力を補給させようと思って。それに、彼処なら誰も追って来れないし。

 まぁ……、だから……私を無理矢理にでも、国に縛り付けたかったんだけどね。ボソ


 暫くは、静かに暮らせるよ……。多分」


 最後の方は、自信が無いのか目を逸らしながらカイトは話した。



 ボソッと言ったのは、気にしないでおこ〜と!だって、父様の事を大事にして来なかった人達の事だもん!?これからは、自分達でどうにかするでしょ!



 そんなカイトを見て、リビアンは出来るだけ元気良く笑顔を心掛けて、


「そうなの!?なら、当分!父様とダラダラして、暮らしたいな〜!魔力の使い方とか魔法を教えてもらいたいし!!」

「勿論だよ。でも、大体魔力操作と想像で使えちゃうんだ……。大体の転生者は、簡単に使えちゃうんらしいよ?」

「えっ?そうなの!?」

「うん。だから、そんなに気にしなくて平気だよ」


 カイトはクスクス笑いながら、興奮しているリビアンに安心する様に宥める。


「さぁ!取り敢えず、ご飯にしようか?」

「うん!!」


 リビアンの返事を聞いてカイトは、リビアンを片腕で抱きかかえ食堂に向う。



 この異世界については、ゆっくり知っていくとして……。

 

 まずは、スキルとか魔法の練習を頑張らないと!!


 あっ!後、早めに魔物をテイムして、育てないとだ!!最初から、上手く出来ないと思うし……。強い魔物は……、うん。無理!!神様がチートは無いって言ってたもん!


 そう言えば……、神様が何か気になる事を言ってたような……?何だっけ?

 確か……、前世の記憶をそのまま、知識や技術とかの何かを異世界に行っても覚えておきたい、自分のナニカを無くしたく無いなら……。チュートリアルで、前世の時に自分が生きて来て?自分が働いて稼いだお金以外で、使った金額をポイントで払え?とか何とか………。


 そんな事、普通分かんないよね!?

 例えば、親のお金でしょ?おじいちゃん、おばあちゃんのお金。それに、親戚とかにもお金使って貰ってるでしょ?

 後、国とか県とか、市何かも?補助金とかそう云う色々なので。自分には分からない所で、使われてると思うし……。え?うん。結構、補助金とか色々なったし、学校とかも無償化してるから……、そう言うのもって説明されたらね?


 ね?分からないでしょ?

 だから、私も分からなかったから……結構、頑張って払ったよ?

 え?何で?だーーって、説明してくれた神様の言い方とその時の雰囲気が!怖かったんだもん………!払うでしょ!普通!


 どれくらい払ったか?

 え~っとね?そもそも、チュートリアルが簡単で楽だったんでけどね?簡単で楽だったから辛いというか……。泡みたいのがポコポコ湧いて来るのをペチペチ叩いて割るっていう、やつをやってポイントを稼ぐだけど。


 うん。それで、私!頑張って稼いだんだよ!神様に呆れ…じゃ、無かった、褒められたんだよ~!

 それで、いくら払ってかだよね!フフッ!な・ん・と!数兆は軽くいってたって!



 リビアンのチュートリアルの時の事を少し聞きながら、ご飯を食べていた。


 大体話し終えたリビアンはエッヘン!とドヤ顔をして、カイトは目を見開き驚いた。


「リア……。頑張ったんだね」

「えへへ!」


 そこでカイトはリビアンの話を思い返してふっと、思った事を言ってみる。


「それにしても……、この世界には結構な転生者とかが居るけど…。リアの話は初めて聞いたな……」


 首を傾げながらカイトは自分が知っている転生者の事を思い出していた。リビアンはそんなカイトの様子を見て、慌てて今の話が嘘じゃない事をアピールする。ただ、慌てすぎて声にはならなかった。


「うん、うん。リア、大丈夫。嘘なんて思ってないから。ね?」


 カイトの問いかけに、リビアンは首をブンブンと縦に振る。


「と、言う事は……。転生者が色々な事を始めても、何だかんだ続かなくてダメになるのは…」

「?多分、関係があると思うよ?何か神様、そんな事も言ってたもん!え~っと?確か、最初は良くても~とか。メリットばっかり覚えてて…デメリットを忘れてる、とか。他にも色々言ってた」


 キョトンとしながらリビアンは答えた。カイトは、ああ、やっぱり。と納得したように頷いて、リビアンに言い聞かせる。


「リア、いいかい?この世界には本当に転生者は珍しくない。

 でも、ほとんどの転生者は色んな問題を起こしたせいで……、厳しい目で見られる……。」

「問題?」

「そう。ある貴族に転生した人は、国の事を否定して色々な決まりを変えたら……、国が崩壊した。とか…ね?」


 ポカーっと口を開けてフリーズしたリビアンに、カイトは「分かる、分かるその気持ち……」と頷いている。


「国の否定?崩壊?何で……?」

「…あー、うん。何か…ね?身分何て可笑しい、何でも平等じゃないとだとか。識字率を上げて、学校は誰でも入れて無償じゃないとダメとか。結婚も政略何て可笑しい、好きな人と結婚して何が悪い。……だったかな。多いい原因は。」

「は?」

「大体の王族や高位貴族は色々な役割が有る。」


 カイトは、真剣な顔をして言葉を切った。

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意識がインしました?それから………。 月宮 卯月 @usa2siro6

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