第45話
「っ!」
声をかけようにも今の俺は何て
声をかけていいのかもわからない
彼女を探していた気がするのに
俺は彼女のことを知らない
そんなことを馬鹿正直に彼女に言ったとして
困惑させるだけだろう
俺を見て涙を流した彼女
その瞳にもう一度俺を映してほしい
一目あっただけの彼女をこの広い大学内で
探せるのだろうか
大学内にいたからといって
ここの大学生とも限らない
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