第6話
髪の毛も瞳の色も、漆黒の社長に対して、副社長は少し色素の薄いブラウン。
どこかミステリアスというか、胡散臭いというか、笑顔を浮かべていても、円らな瞳が笑ってないように見えるというか、私の偏見かもしれないけれど、専務だった頃からどうも副社長のことが苦手だった。
そういう噂があっても、女性社員の中では、以前からダントツの一番人気で。
『あんな甘いマスクで、辛辣な言葉を浴びせられるなんて、堪らない。一度でいいから縛られてみたい』
という少々意味不明なことをいう女性には、堪らないらしい。
――バカバカしい。
主要役員の紹介はここまでにして、さぁ、お仕事お仕事。
秘書室に入ると、案の定、まだここの責任者である
三上室長は、とても四十代には見えない美魔女で、実は二児の母でもあって、優しい母親のような柔らかな雰囲気の持ち主で。
身長も、百六十センチの私とは違って、十センチほど低くて、なんとも可愛らしい女性だ。
真っ黒い髪を、邪魔だからと束ねてまとめただけの色気の”い”の字もない私とは違って。
柔らかそうなブラウンの長い髪を右サイドに流してシュシュで纏めている様がなんとも色っぽい。
どうしたらこんな風になれるんだろうと、いつも感心している私は、こっそり憧れていたりする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます