第5話
その秘書である、トレードマークのインテリ銀縁メガネのその奥から、冷たいブリザードのような鋭い視線を放つ、切れ者秘書の
昨年の年末に、私の可愛い後輩だった、秘書室の新人秘書と”授かり婚”をしたのを境に、途端に、柔らかい優し気な雰囲気を醸すようになり、社内の雰囲気もずいぶんと変わってきたように思う。
もともと見目麗しいハイスペックなイケメンだったこともあり、BL的な噂が薄れた今では、秘書室内外を問わず女性社員の間では人気は鰻登りとなっている。
まぁ、でも、新婚というのを抜きにしても、噂では、相当な愛妻家らしいので、愛人になりたいなどという恐れ多いことを思うようなバカはいなさそうだ。
その中で、一人だけ、異彩を放つ人物がいた。
その人は、同じくこの春、専務から副社長に就任した、社長の弟である
私たち秘書の間では、前々から”鬼畜”という噂があった。
まぁ、出所も定かじゃないし、誰が言い出したかも、ちょっと分からないんだけど……。
見た目は、キリッとした印象で、身長百八十センチを超える要社長に比べて、身長も若干低めで、線も細く、顔立ちもどこか中世的で、アイドルのような甘い顔立ちをしている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます