第86話

『ワンワン!ワンワンワン!』




Sが帰ってきた。




『ララおいで』




玄関の方をチラチラ見ながら、私の方に寄ってくるララ。




『ただいま』




『お帰り』




私はソファーに座ったまま、ララを抱き上げ、Sを見上げる。





『S。責任取らなくても良いよ。』




『え?』




『その代わり、荷物纏めて出て行ってね。』




『いや、こういう言い方良く無いと思うけど、責任は取るよ。それとも、結婚したくない?』




『したいよ。』




『うん。しよう。結婚しよう。』




『ありがとう。』





籍は7月下旬に入れた。

式は挙げてない。




両家の挨拶は6月下旬に行なった。




Sの実家はK市。

わざわざ、S市まで出てきてくれた。



その日は我が家に泊まるのかと思っていたが、ホテルを予約していて泊まることは無かった。




妊娠が分かってからはお酒は飲んでない。



お店も6月いっぱいで辞めた。




その後、1日ずーっとララと過ごせる。




ララとゆっくり過ごす時間が、とても癒やされた。




ララと喧嘩もした。


ララとお散歩も行った。


ララとお昼寝もして、ララとじゃれ合った。




お腹が大きくなるにつれて、ララはお腹の上に乗ろうとはしなくなった。



何も教えてないのにね。



ララの方が先輩だ。

何かを察してくれたのかな。

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