第85話

ララがもうすぐ4歳になる年の5月中旬。




私の妊娠が分かった。





Sには病院に行ってから伝えた。





『ララーただいま。』





病院から帰ってきて、ドアを開ければララのお出迎え。





『はい、ただいま』




ララにお菓子をあげ、部屋着に着替える。





ララはお菓子を食べ終え、トイレへ。





ララのトイレが終わって、シーツを替えソファーに座る。




そこへ、水を飲み終えたララがやってくる。





『お水飲んだの?』





ララをくしゃくしゃっと撫で





『今日も可愛いね。ララ。』





ララを抱き上げる。





『ララ。ここに、赤ちゃんいるんだって。』





ララを私の左横に下ろし、私は私のお腹を触る。





『ララ。仲良くしてね。』




私は決めていた。



Sと結婚しなくても、産むこと。

1人でもと思っていた。




子宮の病気があってから、妊娠は出来づらいかもと言われていたのもあったが



産みたいと思ったから。




Sが望まなくても。




そして、Sから今から帰るーって連絡をもらってから電話をする。




『どしたー?』




『今、大丈夫?』




『うん。何かあった?!』




『あ、あのね、妊娠した。』





『え?』




『妊娠した。』





『あー、うん。分かった。とりあえず帰る。』





『うん。気をつけてね。』




電話を切って、横にいるララを撫でる。




ララは起き上がり、私の方に身体を向ける。




『心配いらないよ。』




ララに笑いかける。

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