第80話

旦那さんもIさんも、何故か私に謝ってくる。





謝ってほしいわけじゃない。




謝ってもらうことでもない。





私はサラを抱き上げる。





手のひらに乗る大きさ。

軽い体重。




サラ。





鳴き声、聞きたかったな。




走り回る姿が見たかったな。




サラ。




今夜は一緒に寝ようね。





棺に戻し、私の枕元へ置く。






『サラ、おやすみ』





涙が止まらなかった。




眠くもなかった。





だけど、朝になればサラはいなくなる。





連れて行かれちゃう。





少しでも、一緒に




少しでも、側に





居てほしかった。






ララ。





ララの知らない所で色んな事が終わってしまう。





サラとちゃんとお別れさせてあげられなかったよね。




ごめんね。





ねぇ、ララ。




今はサラと会えた?

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