第80話

前を見ればツキ兄がいる。




ツキ兄の後ろの道路にはツキ兄の白い車が止まってる。




『ツキ兄、仕事は?』




『ユウキの為に早退だ。』




優しく笑いながら歩くツキ兄。




俺の隣に座って俺の頭に手を置いて




ポンポン撫でては




『聞いてやるから言ってみろ。』




優しい声で言ってくる。




拭いたばかりの涙が出て来ないように俺はまた袖で拭いてから話すんだ。




さっき起こった事をーー…




まさかアイツが聞いてるとも知らずに。

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