ノーベル賞作家のハイファンタジー?『ガラス玉遊戯』

ちょっと趣味枠で、ヘルマン・ヘッセの『ガラス玉遊戯』という作品に触れてみます!


ヘルマン・ヘッセは、当時僕が中学生のときに課題図書で出会ったドイツ生まれのスイスの作家です。

作品では『車輪の下』『デミアン』などが有名です。


ヘッセは主に『自己形成小説(セルフビルディングストーリー)』というジャンルの作品を多く書いてきました。

若者が自分の生き方を探求するって筋のお話です。



このヘッセも、晩年に僕の中で『ハイファンタジー』とも呼べる作品を発表しました。

(一般的にはハイファンタジーと捉えられているかわかりませんが)



それが、『ガラス玉遊戯』という作品です。



ガラス玉遊戯……それは、

ドイツっぽい架空の国での、架空の芸術である『ガラス玉遊戯』をテーマにしたお話です!

ガラス玉遊戯とは、その名のとおり、色とりどりのガラス玉を箱の中で並べて、音や色彩を表現するというものです。

主人公はそのガラス玉遊戯の達人となり、孤高のアーティストとして、芸術や人生に向き合っていく、という高雅でロマン溢れる作品です。


ヘッセはこれで『ノーベル文学賞』を獲得しました。



僕からすると、『ガラス玉遊戯』も見事なハイファンタジーでした。

本作では、『もしも』『たぶん』両方の要素が盛り込まれています。


こんな具合で、『ガラス玉遊戯』みたいに、文学的なタッチでハイファンタジー的なものを描くアプローチもあるわけです!(かなり稀なケースかと思いますが)



そのほか現代ですと、ラノベ賞でもサン=テグジュペリの『星の王子さま』みたいな、『大人向けの童話』感のある、寓話性や文芸性の高い物語も評価される場合があります。


このようにハイファンタジーには、文芸作品のテイストを重ねることもできると思います。


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