・5
慌てて荷物をまとめ、貸し出し表を持って桜庭君の後に続く。
「あの、部活は‥‥‥‥‥」
「今日はサボり」
「えええ」
「嘘。こんな雪じゃ外でなんてできねーって。こっち来てから、ほとんど休みだよ」今日は木曜日で部活ないし、と言われてしまう。
「そ、そうなんですね‥‥‥‥‥‥‥‥」
ふと、窓の外を見る。
度重なる雪で、校庭はもう真っ白だ。
「シノは?」
「え?」
「なんで残ってたのかな~って」
「委員会で‥‥‥‥」
「いつもこんなことしてんの?」
「いつもでは‥‥‥‥学期の始めとかに、してるだけです」
「本、好きなの?」
「おちつくので」
「へー」
「____あ、図書室、ここです」
2階のまんなか辺りにある、木製の扉に手をかける。
きぃ、と薄紫色がにじんで、扉が開く。
「結構広いな」
「そうですか?」
受付の後ろのボードの下に、貸し出し表を提出する。
「うし、帰るかー」
「あ、あの‥‥‥‥‥‥‥‥非常に申し上げにくいのですが」
「バス来るの、2時間先です」
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