第88話

「敬さん、ありがとう」




「何がだ?


俺はただできた料理を運んでもらうためだけに呼んだだけだ」




そのさりげない気遣いに心から感謝します




「つーか、俺のことも敬でいいぞ


多分、智も」




「え?」




「ミカと瑠璃は呼び捨てで俺たちだけさん付けはおかしいだろ


それに呼ぶときに2文字の方が言いやすい」




別にそんな理由でさん付けをしていたわけじゃないけど




「分かった、敬、、、さん」




「なんでだよ」




「なんだか、敬さんに対して呼び捨ては畏れ多い気がする


どちらかというとおかあ、、」




「それ以上言うなら夕飯は無しだ」




「ごめんなさい、、


徐々に慣れてくると思うから」




私の発言に敬、、さんは呆れたように笑うと私の頭をくしゃりと撫でた




やっぱり、、




「おかあ、、」




「言うな」




「はい、、」




こういう掛け合いもできるほどに私はみんなに気を許していた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る