第71話

『私なら大丈夫』って言いたいのに言葉がうまく紡げない




泣きたいわけじゃない、こんな人たちの前では特に




それでも一筋の雫が静かにだけど確かに私のこめかみに流れていった




「てか、、」




「「「「いい加減その汚い手を離せよ(しなよ)」」」」




4人が声を揃えて言った瞬間、拘束が無くなった




正確には




「おえっ」




「ゲホッゲホッ」




私を捕まえていた人たちを帝たちは何ら中の方法で離したからだ




「うわー、ちょっと後が付いてるー


痛い?」




「大丈夫です、、」




一瞬の出来事すぎて少し放心していると瑠璃さんに声をかけられた




話し方は同じだけど声から私を心配してるのがなんとなく伝わってきた




「とりあえず、外に出よっかー」




「、、はい」




多分、見られたくないんだと思った




見て何か変わるわけじゃないって頭では理解してるはずなのに、私をここから遠ざけたい理由はそれしか思い浮かばなかった




だから、私は倉庫に出るまで下を向いてなるべく見ないようにしていた




耳に入ってくる音を聞きながら

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る