第70話

「まぁ、助けなんて期待しないのはいいと思うよ


実際ここは簡単にばれないだろうし、楽しんで待とう?」




「楽しいのは貴方たちだけだと思いますが」




「本当に余裕そうだよね


もしかして、この見た目で遊んでる?ならこっちも遠慮なく、、」




そう男の人が目で合図すると両手足を他の男の人が一人ずつ掴んだ




その表情はニヤついていて悪寒が走る




精一杯の力で拘束から逃れようとしたけど力でかなうわけもない




「じゃあ、いただきまーす」




そう言いながら男の人が太ももに触れた瞬間




ガシャーンと窓が割れる大きな音が倉庫中に響いた




「スズ、無事か」




「、、敬さん」




派手に中に入ってきたのは敬さんだった




その衝撃に頭が追いつかないうちにまた衝撃音が響く




その音の方向に顔を向けると両開きの倉庫の扉が空いていた




いきなりの光に目を細めたけど聞こえてきた声は私がよく知ってるものだった




「ねぇ、誰の許可を得て俺のスズに触ってんの?」




「君ら命知らずだね」




「姫ちゃーん、大丈夫ー?」




この声たちを聞いて安心しない人はいるのかな




私の目に薄い膜ができるには十分な理由だった

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