第58話

無事に帝の腕から抜け出せた私は達成感でいっぱいだった




帝を起こすことなくベットを抜け出せたから




とりあえず、下に下りよう




いるかどうかは分からないけど、敬さんのお手伝いをしようかな




これからお世話になるしね




そう考えて部屋のドアを開けた




、、、ようとしたんだけど、それが開くことはなかった




なんでかって




ドアのぶを握ってる私の手とドアに手があったから




その大きい手は私が知ってるもので紛れもなく帝の手だった




さっきまでぐっすり眠ってたのになんで?




「、、帝?」




何も言わず、動かない帝に疑問を思い私は問いかけた




「、、どこに行くの?」




少し不安げな声を出す帝




そんな帝を安心させるように私は言葉を発した




「どこにも行かないよ」




振り向いて帝を見ると作ったような笑顔で私を見つめていた




それはまるで置いていかれる子犬のようで言ってはダメと分かっていながら




「かわいい」




と空いてた手を帝の頬に当ててそう言った

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