第48話
『王と三獣』
それを私の街では有名らしく知らない者はいない
紫の神秘的な瞳に少し明るめな髪を持つ『王』
緑がかった焦げ茶の瞳に栗色の髪を持つ『三獣』の一人『犬』
真っ黒な瞳に濡れ羽色の髪を持つ『三獣』の一人『烏』
真紅の瞳に真っ白な髪を持つ『三獣』の一人『兎』
この目立つ容姿を持っているため見たらすぐに分かる
この人が何者でどんな役割を持っているかを
そして、有名な『王と三獣』だけど会っても決して争ってはいけない
と言われている
なぜなら、、
『争ったが最後、無事でいられる可能性は0』だから
それくらい喧嘩(?)が強いらしい
「スズ」
少し、自分の中の『王と三獣』について考えをまとめていると敬さんに声をかけられた
その声は重々しく、真剣だった
俯いてた顔を上げ、敬さんを見つける
「で?これを聞いてスズはどう思ったんだ?」
敬さんが言おうとしてることが分かる
『俺達の正体を知って、お前はどうするんだ?』
そう言っているんだ
確かに話に聞いていた『王と三獣』が自分達だ言われて驚いた
でも、納得する部分もあって
敬さん達が帝を『王様』って呼んだり、親しいのに何故か線引きしてるように感じたり、帝が言ったことに反論しなかったり、と心当たりがありすぎる
でも、私の中では
「、、驚いたけど、変わらないよ」
彼らは『王と三獣』じゃなくて『帝と敬さんと智さんと瑠璃さん』に変わりはない
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