第38話

「じゃあ本題に入るね」




帝さんの言葉に頷く




それを見た後、彼は話しはじめた





「スズちゃんには3つの選択肢がある」





「3つ?」





「そう、1つ目は前の街でもここでもない街に行って過ごす。もちろん俺達が支援して高校にも行きたいなら行かせるし、大学に行きたいならそれも支援する」




帝さんは人差し指を立てて話す




さっきまでの柔らかい雰囲気はなく、真剣だった




誰も何も知らないところに行くのもいいけど、、、行かないかな




「2つ目は元の街に戻って何事も無かったように過ごす。これも俺達が何とかする」




帝さんが中指を立てて、指を2本にする




それはしたくない、、な





彼なら出来そうな気がするけど関わりたくないのが本音





「3つ目は俺たちと一緒にこの街で過ごす。ここで過ごすならどっちにしろ俺らが何とかするよ」





、、、どれも彼らの負担が大きいよね





でも私は、、





「帝さん」





「敬語も無しなんだから、呼び捨てがいいな」





「、、帝」





「なぁに?」





「最初に言ったよね」





「、、?」





私は確かに頷いた






「『スズを俺にちょうだい』って」





「、、言ったね」





「私はそれに『どうぞ』って返したんだから、私の寄り道の案内をするのは帝だよ」





帝の誘いに頷いたのは私だ





でも誘った帝がいないのに寄り道をする意味なんて私にはない





帝が誘ってくれたから私はここにいるのだから





「さっきの選択肢の答は一択だよ、、、帝たちと一緒にいる」




それに





「私は『私』を帝にあげちゃったんだから選択肢は最初からあってないようなものだよ」





彼の傍にしか私はいない

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