第19話

「あなっ、、ゴホッ」





しばらく放心してしまったが、男の人が誰か聞こうとして咳き込んだ





「大丈夫?焦らなくていいから、ゆっくり息をして」




彼はそう言うと私を抱きすくめて、背中を優しくリズムを刻むように叩いた





私はされるがままで、大人しく彼の腕の中にいた





優しい振動と彼のぬくもりで徐々に落ち着いてきて、ふと気づく





あれ?この人の息が少しだけど切れてる?






さっきまでは気づかなかったけど、冷静になって気づいた





私はそれに気づくと






「、、、っ!?」





彼と同じように背中を優しくリズムを刻むように叩いた





「、、何してるの?」





「貴方は息が切れてるみたいだったから、それを落ち着けるようにしてみたのよ」





「、、、」





「必要なかった?」





私はそう言って、手を止める





要らない、お世話だったかな





「、、君は気遣いが本当に上手だね」





「、、そんなことない」





「あるよ、気づいてくれてありがとう。もう少しだけお願いできるかな」





「、、うん」





彼にそう言われて、私は止めていた手を再開させた

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