第21話
走っていた足を止め、ゆっくりと近づく
段々とはっきりしてくる輪郭に驚く
「、、来たか」
「、、姐さん?」
そこには普段と全く雰囲気を纏った姐さんがいた
肩ほどだった髪は高めに括られ、黒シャツに黒のスキニーを着ていた
一瞬、間があったのはいつもの柔らかい表情はなく無表情で冷たい表情をしていて俺の知ってる姐さんとは違ったからだ
「なんでここに、、」
「なんで?それは愚問だな
ここに用があったからオレはここにいる」
オレ?
「逆に宮村義樹はなんでここに来なかった?
来る機会は何度もあったよな?」
「、、それは」
「『それは?』
その言葉を言う時、大体の奴は言い訳を口にするって知ってるか?
これを聞いた上で話すって言うんならそれ相応の言い訳だろうな?」
「、、俺の勝手な行動がキヨを危険な目に合わせると思ったから、、」
「勝手な行動をしなかったことで自分の仲間が怪我をしてるのにお前はよくそれを言えたな
それともやられてくれてラッキーとでも思ってたのか?」
「そんなわけないだろ!」
「なら何か?
仲間は守れなくても、彼女を守るために頑張ってる自分に酔ったか?
彼女が人質で可哀想な俺がこんなことをしても仕方がないだろ?なんて考えたのか?」
「、、、」
休みなしに言われた言葉が全て俺に刺さる
その気持ちが一つでもないと言い切れなかったからだ
「なんだ、もうダンマリか?
なら、お前のしたことで何がどうなっていたのか丁寧に説明してやるよ」
姐さんは無表情のまま淡々と言った
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