第13話
手すりを持っていた手が外され、体が浮き上がる。
後ろから抱えられたまま脚を開かされ、更にはしたない姿にさせられ、涙が流れた。
「やぁ……ジェードっ、怖、ぃっ……」
「大丈夫だよ……俺が君を落とすわけないでしょ……安心して快楽に溺れるといい……」
耳元で囁いた後、耳を舐めてキスをした。
「ゆっくり入っていくのもっ、気持ちいでしょ? はああぁっ……」
「ふぁあぁああっ……」
濡れてぐちゃぐちゃになった入口から、彼の形を自覚させるみたいに、ゆっくりじっくり昂りが中へ入ってくる。
ゆったり腰が動かされ、下から揺らされている私の目に、見覚えのある人物が飛び込んで来て、背が冷えた。
「おや、あれは……公爵様か……俺達が繋がってるとこ、見せて差し上げようか……」
腰を止める事もせず、恐ろしい事を言うジェードを顔だけで振り返り、首を横に振って拒否を訴える。
そんな事されたら、私はどんな顔をしてアレアド様に会えばいいんだ。
「何て……君のこんなにもいやらしくてっ、愛らしい姿……誰にも見せるわけないだろ……はぁ……」
「んっ、ぁっ……」
ジェードが私を抱えて挿入したまま、向きを変えて部屋へ戻って下に降ろされた。
ジェードはバルコニーとの間にある大きな窓を閉めて、カーテンを少しだけ閉めた。
カーテンの隙間から外が見える。
そこには、庭師と談笑するアレアド様が見え、私はその場所に立たされる。
「さぁ、窓に手をついて。うん、いい子だね……。スカート捲っていやらしい姿を俺に見せて……」
先程と同じく、ジェードに言われるがまま、おずおずとスカートを捲ってお尻を顕にする。
恥ずかしいのに、中途半端にされた中が、熱く疼いてどうにかして欲しくて仕方ない。
窓に張り付くみたいに立つ私を、後ろから優しく包むみたいに体をくっつけるジェードの左手が、私の左手に重なって指が絡まる。
脚からお尻へと肌をなぞるもう片方の手の感触。今は、それすら快感で声を漏らす。
「これも気持ちいいの? クスッ、随分いやらしい体になったね……俺がいないと生きていけない体になって……俺だけに反応して、感じていて……」
何処か切なそうに呟いて、肌を撫でていた手が前に回り、まだ濡れたままの場所を刺激して、私はまた声を出す。
「少しだけでも声出せて、さっきよりいい顔になったね……でも、あまり大きな声を出したら……聞こえてしまうよ?」
「ゃっ、あぁっ……んぅっ……耳、やぁ……ンっ……」
耳元で笑う声が聞こえて、中にジェードの熱い昂りが再び挿入され、体を震わせる。
「あっ、あっ、あぁっ、んぁっ……」
「もうっ、声を抑えるのもっ、はっ……出来なくなってる、の? ぁあっ、いやらしく腰をくねらせて……はぁ……俺を誘ってっ……いけない主だっ、ね……」
まだ庭に人がいるのに、誰かが来るかもしれないのに、後ろから激しく突かれる度に、我慢出来ずに声が出てしまう。
「口、塞いでてあげる……んんっ、んっ……」
「ふっ、ぅんンっ、んっ、はっ、ンっ……」
顔だけジェードの方を向かされ、唇が食べられるみたいにして貪られ、舌が口内を暴れ回る。
ねっとり絡みつく舌とは裏腹に、腰を打ち付ける力は激しくて、私はすぐに絶頂を迎える。
「ほらっ、しっかり立って……はぁ……まだまだ終わらないよっ……」
何度も意識を引き戻され、抱き潰される。
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