第3話 初めての仲間
エリンとセリナが草原を進む中、遠くから一陣の風が吹き抜けた。草原の中腹には、一軒の古びた小屋が立っていた。エリンはその小屋が気になり、セリナと共に近づいてみることにした。
小屋に入ると、中は意外にも整っており、木製の机と椅子、暖炉が見えた。机の上には古い地図や本が散乱しており、何かを研究しているような気配があった。
「誰かいるのか?」
エリンが声をかけると、奥の部屋から物音がした。やがて、20代半ばの男が現れた。彼は短い黒髪と鋭い目つき、腰には奇妙な装飾が施された短剣を差していた。彼の名はカイ。どうやらこの小屋は彼の拠点で、世界を旅しながら古代の遺物を調査しているという。
「お前たち、こんな場所で何をしているんだ?」
カイは警戒しながらエリンとセリナに問いかけた。エリンは星の剣と、自分の旅の目的を簡単に説明したが、カイは鼻で笑った。
「星の勇者?そんなものが本当に存在すると思ってるのか?今の時代に、魔法も古代の力も信じてるなんて、珍しいやつだな」
エリンは一瞬ムッとしたが、セリナが静かに前に出た。
「君もいずれ、この世界の真実を知ることになる。闇の力は確かに復活しつつあるのよ」
その言葉に、カイの表情が少し変わった。彼もまた、旅の中で奇妙な出来事に遭遇してきたのだ。特に最近、世界の各地で「闇の影」にまつわる伝説が頻繁に語られていることに気づいていた。
「……まあ、君たちの話が本当かどうかはわからないが、一緒に行ってみるのも悪くないかもしれないな」
カイは軽い口調でそう言うと、旅の仲間に加わることを決めた。彼は剣術や罠の知識に長けており、エリンとセリナの旅には心強い存在となるだろう。
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