第69話

私の手の上から手を添えて、逸耶が手首を掴んで優しく引き上げる。



「こっちおいで」



手を引かれ、ソファーに移動する。



「はい、続きどうぞ」



ソファーに足を広げて座る逸耶の足元に、再び座り直す。



先程よりスムーズに逸耶の下着に手をかけると、もう大きくなり始めている昂りを取り出した。



久しぶりに見る逸耶の昂りを目にし、迫力に喉を鳴らした。



舌を這わせると、逸耶がピクリと体を揺らして小さく声を出す。



それが嬉しくて、もっと聞きたくて、夢中で舌と唇、そして喉を使って奉仕する。



「っ、ぁ……ん……おまっ、何かっ、前より進化してね? はぁ、あっ……っ……」



「ひもひぃ?」



「ククっ、喋んな……くすぐってぇ……」



「はぅっ、ンっ、んんっ、ふぁ……」



いやらしく音を立てて、自らが持つ全てを駆使して、逸耶を気持ちよくしたい一心で咥え込む。



「あー、すっげぇな……はぁ、あぁ……けど……」



突然逸耶の声が低くなり、少し怖くて。



「口、離して」



「んはぁっ……いつ、や?」



見下ろされてるからか、表情が暗く、怖い。



「これを他の男に仕込まれたと思うと……気に入らねぇ……」



髪を指で梳きながら、無表情に言う逸耶に、二人の男が頭を過ぎる。



過去は戻せないし、私が汚いという事実も消える事はない。



涙が、滲む。



「ごめっ、なさっ……」



「泣くな……何でお前が謝んだよ。お前は悪くねぇだろ。自分を責めても何も変わらねぇ」



逸耶は私を子供にするみたいに抱っこの状態で抱き上げ、頭、額、目尻にキスをする。



優しい声と、撫でる手で、私に一瞬で安心感を与えるこの人が、好きで愛おしくてたまらない。



移動している間、私は逸耶に甘えるみたいにしがみついていた。



ベッドにゆっくり座り、その膝を跨ぐように座る。



「お前はまた自分が汚いだ何だ考えてんだろーけど、勘違いすんなよ」



この人には、何で全て分かってしまうんだろう。



顔に掛かる髪を避けつつ、髪と頬を撫でる手に顔を擦り付ける。



「お前はすっげぇ綺麗だよ……。この俺が言うんだから信用しとけ」



「んっ……はぁ……ンっ……」



優しく甘やかすみたいな、ねっとり絡みつくキスに、酔いしれ、じっくり味わう。



「俺とのキス、好きか?」



「好きっ……はぁ……逸耶、ンっ、好きっ……」



「ククっ、そりゃよかった……俺も好きだよ……」



激しさを増すキスに、飲み込みきれずに口の端からお互いの唾液が零れ、それでもやめられなくて、舌を堪能し続ける。



酸素が薄くなり、頭がボーッとしてしまうのに、キスを止める事は出来ないししたくなかった。



長い間キスをしている間に、逸耶の手がスカートから覗く太ももを撫で、もう片方は胸を優しく揉みしだく。



「ん、はぁ……もう腰、動いてんぞ……」



逸耶がする事、触る場所、全てが気持ちよくて、まだ始まったばかりなのに、もうたまらなくなっている。



服のボタンが胸の辺りだけ外され、胸が顕になる。



「こんなに美味そうに乳首おっ立てて、食ってくれって言ってんぞ」



「あっ、あぁっ!」



「んー……舌で転がされんのもいいけど、お前は……こっちのが好きだろ……」



「ぃ、あっ、噛むの……やぁあっ!」



胸の突起を舌で転がして、そのまま口に含んで歯を立てられ、もう片方を爪で引っかかれるだけで、いやらしく躾られた体は簡単に達してしまう。



「痙攣すげぇな……乳首だけてイったのか? お前これじゃ、この先大丈夫か?」



ビクビクと体が跳ねるのを止められず、胸をいじめられ続ける。



「あーあ、ほらまた乳首だけでイク……」



「やっ、やだっ、ぃぁあっ、だめぇ……イクっ、イっちゃ……んんンっ!」



耳元で低い声に絶頂を促されるみたいに囁かれ、両方の突起を捏ねられ、擦られ、高まる頃には引っ張って摘み上げられ、ビクビクと魚のように体を震わせて高く啼いて到達する。



「盛大にイったなぁ……気持ちいいみたいでよかったよ」



肩で息をしながら、逸耶に項垂れかかる私の首にキスの感触の後、チリっとした痛みがする。

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