第51話

保健室へ連れて来られ、ベッドへ降ろされた。



先生はすぐに離れてしまって、温もりがなくなって妙に肌が寂しくなる。



「薬は?」



「ぽ、ポケット……はぁ……」



「触るぞ」



「んっ、ぁ……」



「変な声出すな。ほら、水だ。これで薬飲め」



私は体の奥が疼くみたいな感覚を、どうにかして欲しくて、先生にしがみつく。



「おい、こらっ……」



「先生っ……シよ……」



ベッドに座る私がしがみついて引き寄せると、先生はバランスを崩してベッドに片膝をついて、片手は私の背に、もう片方はベッドについて、倒れないように支えて耐える。



「ったく、とにかく一旦離せ」



落ちた水を拾い、口に含んだ先生がベッドに座る私を挟むように両手をついて、顔を近づけた。



「んっ……ンぅ……っ……」



「っ……はぁ……よし、しっかり飲めたな」



薬と共に、先生が含んでいた水が喉を落ちて行く。



ただ、薬を飲ませただけにしては、先生のキスは私の体を更に熱くする。



「んっ、ぁ……ぅンんっ……」



「ほら、落ち着け。深呼吸して」



自らの下着の上から、秘部を慰め始める私の手首を掴んで、やんわりと制止する先生に、私は恨めしい目を向ける。



「今は我慢な。治ったらいくらでもシてやるから」



ベッドに座った先生の膝に座らされ、優しい腕に包まれて、頭を撫でられる。



「大丈夫だ、焦らなくていい。ずっとついててやる」



気持ちよくなりたいと、頭がそれだけでいっぱいになる。



なのに、先生に抱きしめられ、頭を撫でられているだけなのに、何処か満たされるみたいで。



薬が効いてきたのか、先生のおかげか、体はまだ熱いものの、耐えられない程ではなくなって来た。



まるで、何かの魔法なのかと疑ってしまうくらい。

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