第44話

立ち上がらされ、手を引かれてベッドへ体を沈めた。



「ほら、脚、開いて。欲しいなら、入口しっかり自分で広げて誘ってよ……」



開かれた脚の間に体を滑り込ませた貴臣が、膝立ちで私の事を見下ろす。



この時の貴臣の、雄の鋭くてギラついた視線が、いつもの優しい彼とは違うからか、ゾクゾクしてこの瞬間がたまらなく好きだ。



「どうして欲しいか、可愛くおねだりしなきゃ何もしないよ?」



「ここに、貴臣の硬いの……思い切り奥まで挿入れて、中いっぱい犯して……」



「誘うの上手になったね……可愛いよ、柚菜……。意識ぶっ飛ぶくらい、中いっぱいぐっちゃぐちゃに犯してあげる、ねっ……」



「ひっ、ぅ、あぁああぁあっ……」



勢いよく奥まで一気に硬く熱い滾りが突き入れられ、はしたない声で喉を引き攣らせて絶頂する。



痙攣な止まらないのに、そんなのはお構い無しに貴臣の律動は激しさを増していく。



「ほらほらほらっ、ちゃんと何処に誰のが挿入ってるのか、しっかり意識してっ、はっ、あっ……イク時はちゃんと言ってっ……そのよがり狂う可愛い顔っ、しっかり俺に、はっ、見せてっ……はぁ、っ……」



「ああぁあっ、あっ、やだ、またイ、クっ、ダメっ、イクイクイクっ……ぅう……はっ、はぁはぁっ……はっ、はっ、や、だっ、今、イってるのっ、に……あぁーっ、あっ、また気持ちぃの、来ちゃっ……」



「柚菜っ、あー、可愛過ぎ……はっ、はっ、ぁ……」



「やっ、やだやだぁ……またっ、イ、グっ……やっ、そこ、ダメっ、出ちゃっ、出ちゃうからぁっ……ぅ、ぅあぁぁぁああぁっ……はっ、ぁ……ぁ……」



私の弱い部分なんて知り尽くした貴臣が、そこばかりを激しく擦りつけると、私の秘部から水分が吹き出した。



脱力で、頭が真っ白になるのに、意識を手放すのは許されない。



「あーあ……すっごい量の潮吹くくらい、ここがいいの? ふふっ、じゃぁ、もっともーっと気持ちよくなって、可愛くイキ狂ってるとこ、見せてね……」



声は優しく甘いのに、言われる言葉は羞恥に喘ぐような言葉ばかりで、また奥が疼いてしまう。



「ほら、とりあえず最初の一発目の濃いの、しっかり中でっ、受け止めてっ……あー……やばっ、も、イキそっ、ん、もぅ、イクっ、出そっ……あぁー、ほら俺も一緒にイクよ……。あぁー、イクイクっ、ぁ、奥出すよっ、しっかり脚広げて準備、してっ……んっ、はぁ、ぁ……はぁっ、凄いの来そっ、ぁっ……マジ……あーっ、出る出る出るっ……イ、クっ、ぅあっ、ちょっ、最後っ、そんな締め、んなっ……ぅっ……」



貴臣の達する時の雄の喘ぎが好きで、耳からも快感が湧き上がり、もっと中に欲しいと誘う。



「はぁ、はっ、はっ、はははっ、はぁ……全部っ、搾り取られるかとっ……思った……はぁ、はぁ……。柚菜の、中に思いっきり、出すの……やっぱすっげぇ、気持ちいいから……やめらんないわ……っ、はぁ、はぁ……」



耳元で甘く囁く声が、どれだけ残酷で嬉しくない言葉でも、それでも私はまた、貴臣が満足するまで、本当に狂ってしまうのではと怖くなるくらいに、快楽に溺れていくのだ。

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