第39話

一人で住んでいる割に、広くて高そうなマンションの一室。



私はフカフカのソファーに降ろされた。



「俺んちに柚菜がいるの、何か不思議だわ」



言って、貴臣は荷物を取りにまた車へ戻って行った。



待っている間、私は軽く部屋を見回した後、貴臣が付けて行ってくれたテレビをボーッと見る。



その内ウトウトし始め、扉が開く音で目を開く。



「ん? どした? 眠かったらベッドで寝な」



フワフワした頭で、私に視線を合わせるみたいにしゃがんで、優しく頭を撫でて微笑む貴臣を見つめる。



「ほら、ベッドへ……っ……」



「んっ……」



貴臣の首に腕を回して、もう何度触れたか分からない形のいい唇に、自らの唇を押し当てた。



「ったく……俺が柚菜の誘いを断れないの知っててやってんなら、だいぶ悪い子だわ、マジで……」



「悪い子は……嫌い?」



「っ……そんな事ないよ。たまんないわ、本当……」



甘えるみたいにしがみつけば、それ以上の甘さで応えてくれる貴臣に、安心感さえも覚えながら、体の奥で疼く何かに突き動かされる。



「ベッドまで……は、待てないか……」



貴臣の両手を掴み、自らのそれぞれの胸に持っていくと、その細くて長いしなやかな指が、当たり前のように胸の突起を簡単に探し当てて爪を立てる。



それだけなのに、たまらなくなって腰を揺らしてしまういやらしい体。



「下着脱いで、脚、開いて見せて。胸だけじゃ足りないでしょ?」



言われ、素早く下着を脱ぎ捨て、ソファーに深く腰掛けてスカートを捲り、貴臣に見せつけるみたいに脚を大きくM字に広げて見せる。



「まだ胸しか触ってないのに、何でこんなにぐちゃぐちゃなの? そんなに俺に触って欲しいの? ん? ほんとにいやらしくて、悪い子だ。どうして欲しいか、その可愛いお口で言ってみて」



頬を撫でながら、挑発するみたいに目を細めて貴臣が低く囁く。



早く気持ちよくなりたくて、もどかしさに涙が滲む。



「いっぱい、弄って、いっぱい気持ちいいお仕置して欲しぃっ……」



今までも、散々お仕置だと言ってされてきた事が、頭の中でフラッシュバックして、その気持ちいい感覚が早く味わいたくて、ボロボロと涙を零す。



「あーあ……泣き顔までえっちだなんて……どうしようもない悪い子だね……。ほんと、どこまで俺を夢中にしたら気が済むの?」



握ったスカートを抱きしめて、早くと貴臣にはしたなく懇願する。



私な一体、どうしてしまったんだろう。



「柚菜は、俺がいないともう生きていけないんじゃないの? 俺が離れちゃったら、大変だねぇ……」



「やだっ! 貴臣っ、離れちゃっやぁ……」



「クスクスッ、大丈夫だよ、ずぅーっと一緒にいるから。柚菜の傍にいるから、安心して」



何度も頷く私に、触れるだけのキスをして、貴臣は私の開かれた脚の裏ももの部分を掴んで、秘部に顔を近づけた。

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