不埒な関係

第32話

夢中でお兄さんとのキスに酔いしれる。

「はぁ……マジでヤバ……キスだけでこんな早くガチガチになんの久しぶりだわ……ほら、分かる？」

「あっ、んっ……」

お兄さんの熱くなった昂りが、腰を動かされて下着越しに擦られて、ゾクゾクと背中が粟立つ。

「俺の部屋、行こっか。ここじゃさすがに明彦が戻って来ちゃうし」

そのまま抱っこされるみたいな格好で、立ち上がったお兄さんの硬いモノがまた擦れて、甘い声で啼いてしまう。

「何？ これ、気持ちいいの？ またそんなエロい顔しちゃって……」

「あんっ、ああっ、それ、気持ちぃ……はっ、ぅンんっ……」

硬いので擦られながら、またキス。

キスと擦れる気持ちよさに夢中になって、私は今何処で何をしているかを忘れていた。

「柚、俺思いっきり中に出しちゃったから、体気持ち悪いだろ？ お湯の準備出来……た……」

明彦の声が聞こえても、私は止まる事はしなかった。

「何……してんだよ……」

「んっ、んンっ……はぁ……何って、柚ちゃんとイケナイ事してるんだけど……んっ、ほら、柚ちゃん、ちゃんと気持ちよくしてあげるから、ちょっと落ち着いて……。ほらっ、んっ、もう、俺の擦り付けるの気持ちよ過ぎて、やめらんなくなったみたいだわ」

明彦の絶句する息遣いも、自分がどれだけの事をしてるかも、気にする理性なんて、捨ててしまえ。

明彦がいるのにも関わらず、私はお構い無しにお兄さんの唇に食らいついた。

「んっ、ンん……ん……柚……」

「なぁ、柚っ、何やってんだよっ！ や、やめろよ……柚っ……」

「柚は俺と気持ちいい事したいってさ。お前、どうすんの？」

「は？」

私を抱っこしたまま、またベッドに座り直して、お兄さんは腰をゆるゆると動かして私に擦り付けながら、明彦に言葉を投げる。

困惑する明彦に、お兄さんが続ける。

「仲間に入る気がないなら、どっか行ってくんね？」

お兄さんからの提案に、明彦の言葉が詰まる。

その間にも、兄さんは私とのキスを忘れない。